北海道建設新聞社
2018/11/21
【北海道】工業高校の間口拡大を 道建設業審議会で委員が意見
北海道建設業審議会(会長・石黒匡人小樽商大教授)は19日、道庁赤れんが庁舎で会合を開き、道建設部が2018年度中の策定を目指して素案を取りまとめた「建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する北海道計画」や、深刻な問題となっている担い手不足などについて意見を交わした。担い手対策では委員から工業高校の間口拡大や関係補助金の増額などの意見が上がった。
開会に当たり岡田恭一建設部長は「道内建設業は安全で安心な暮らしを支えるために重要な役割を担うが、担い手不足や厳しい経営環境にある」と述べ、同部が取り組む北海道建設産業支援プラン2018や公共工事の品質確保、策定作業を進めている建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する北海道計画に関しての審議を求めた。
同部の施策について説明があり、建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律(建設職人基本法)を受けて策定する北海道計画に関しては、国の基本計画をベースに積雪寒冷地という点、全国平均を下回る月収と上回る労働時間といった現状から、処遇改善や冬季施工への配慮などを含めた計画とすることが報告された。
委員からの意見は担い手対策が中心となり、川島崇則委員(北海道建設業協会副会長)は、道内各地で工業高校が減少していることが業界への入職が進まない理由の一つとして上げ「工業高校の建設系学科の間口を一時的に増やすといった、根本的な対策も必要」と指摘した。
また小松正明委員(北海道舗装事業協会専務理事)は、より一層の適正な利潤確保や現場の負担軽減に向けた書類簡素化などを要請。犬嶋ユカリ委員(札幌商工会議所女性会副部会長)は「北海道がこれから将来に向かっていくために、担い手確保の取り組みに対する補助金を手厚くする必要がある」と述べ、検討を提案した。