徳島市は、一般廃棄物の広域処理で飯谷町枇杷ノ久保地内に整備を計画している中間処理施設について、基本計画(素案)をまとめた。今後は12月市議会定例会に報告後、年明けにかけてパブリックコメントを実施し、2019年2月初旬の計画最終案とりまとめを経て3月末の計画策定を目指していく。一方で事業が県条例(県環境影響評価条例)の第1種事業に該当することから、計画段階配慮書を12月上旬までに関係市町や県に送付し、意見を求めることにしている。これらが順調なら2019年度から施設の基本設計着手などが見込まれる。
基本計画素案は、「ごみ量設定および施設規模」「処理方式」「環境保全目標」「配置計画」「搬入出計画」「概算事業費」を整理した基本的な事項を基に、市民会議での意見を踏まえ取りまとめた。全10章で構成する。
施設の整備計画や事業手法などの事業計画については、第9章と第10章にそれぞれ記載。施設については熱回収施設(日量最大396d)とリサイクルセンター(日量70d)を整備する。熱回収施設の処理方式・系列数は、ストーカ式・系列数3炉とする。その他必要施設として環境学習棟や計量棟、洗車場・車庫棟・倉庫などを配置する。中でも環境学習棟は、管理機能の事務所や会議室の他、環境啓発機能として環境体験型施設、リサイクル工房、修理工房の機能を目玉に整備を検討(災害発生時には防災拠点に活用することも想定)する。また、新施設から発生するプラント排水は再利用(無放流)する。
配置計画では、敷地南側から入出するよう出入り口を設け、南側から計量棟や駐車スペース、続いてその北に環境学習棟、熱回収施設、リサイクルセンターを、車両の動線を十分に確保しつつ配置する。用地面積約11・7fのうち開発面積は約7・2f。約4fの平地部分を造成する。調整池は約1500平方bに3200立方b規模を整備する。搬入出計画については、国道55号線から県道徳島上那賀線を南下し、野上橋東詰に至るルートを原則としているが、候補地の上流に橋梁を新設する方向で検討を進めていく。
概算事業費444・6億円は10%税込みで算出。内訳は熱回収施設に321・6億円、リサイクルセンターに94・1億円、この他造成に15・4億円、搬入出ルート整備に13・5億円を見込む。ただし、これには用地取得や電力・水道引き込み工事、周辺環境整備などの費用は含まれていない。
事業方式は公設公営方式(直営、委託)、公設+長期包括委託方式、DBO方式、PFI方式を比較しながら今後検討していく。スケジュールについては、基本計画と環境影響評価の手続きが順調なら、用地測量と地形測量・地質調査・土壌汚染調査を19年度に実施する他、施設整備実施計画(基本設計)を19〜20年度、造成設計20〜21年度で進める。一方、事業者選定はこれらと並行して20〜22年度で行う。その後23年度から実施設計、24〜26年度にかけて建設工事を行い、27年度からの供用が見込まれている。
一般廃棄物の広域処理には、5市町(小松島市、勝浦町、石井町、松茂町、北島町)が参加する。徳島市が事務委託を受けて市民会議などを開催する中でこれまでに基本計画の取りまとめなどを進めている。
提供:建通新聞社