県湖東農業農村振興事務所の田園振興課は、老朽化に伴う更新と地震対策を目的に「芹川ダム」を改修整備する県営芹川地区土地改良事業(ため池等整備事業)について、19年度から工事が本格的にスタートとなる見通しのダム本体の耐震工事に次いで、管理橋の改修工事を予定している。
ダム本体の耐震工事が19年度から2ヵ年をかけ21年5月末の工期を設定して進められることから(本紙10月19日付2面に再公告を掲載)、管理橋の改修については今のところ、未確定ながらダム本体の耐震工事の完了を待って21年度には着工となる模様。
芹川地区のため池等整備事業(多賀町一円地先)では、昨年度にダム本体と管理橋の改修に伴う実施設計を、内外エンジニアリング滋賀営業所(草津市)に委託して業務を完了。
今年9月から取り掛かった既設道路からダム堰堤までの進入道路L560bの進入用道路(工事用道路)の工事が今年度内に完了することから、ダム本体の耐震改修工事(ダム堰堤改修工事)を、JV編成による制限付き一般競争入札で公告。年明け早々に開札し、施工業者を決定する予定(総合評価方式・標準型I型)。
中心コア構造の堤体(堤高26・68b×幅7b×堤長129・4b)については、地震時の完全性を確保できるように同規模で改修・更新整備するとともに、次年度に予定する洪水吐工では管理橋(L34b)を改修整備する計画。
事業費は、概算で総額13億6830万円を見込み、堤体工事費に9億9300万円、洪水吐工に1億17420万円、工事用道路や道路用土砂の仮設ヤード等の仮設工に1億6160万円など(当初計画)。
芹川ダムは、芹川を唯一のかんがい用水源とする多賀町と彦根市の農地に対し、農業用水を貯水・供給するために昭和14年から着工し、昭和30年度に貯水量142・6万立方bのダム施設が竣工。経年劣化により取水施設や堤体の老朽化が進行し、さらにダムの位置する多賀町は東海・南海地震防災対策地域に指定されており、老朽化に伴う更新と地震対策を目的に改修整備することになった。
提供:滋賀産業新聞