県県土整備部は、13日に開いた2018年度第1回県県土整備公共事業評価審議会(会長=轟朝幸・日本大学理工学部交通システム工学科教授)で、「一宮海岸侵食対策(海岸事業)一宮海岸」と「社会資本整備総合交付金(連続立体交差事業)新京成線(鎌ケ谷市)」の2件の再評価を行い、いずれも事業継続を妥当とした。新京成線は17年度の下り線に続き、来年度で上り線を高架化、24年度の事業完了を目指す。一宮海岸は、残延長が約1・6qで、27年度を目標に事業を進める。
一宮海岸は、波浪等による海岸の侵食及び海岸保全施設の被災を防止することなどを目的に、海岸保全施設の整備を実施。
事業は1983年度に着手し、事業期間は27年度まで。総事業費115億円を投入し、ヘッドランド4255m(10基)、離岸堤150m(1基)の約4405mを整備する計画。これまでにヘッドランド2696m、離岸堤150mの合計2846mが完成。事業費は80億6000万円を投入し、進捗率は70・1%となっている。残延長は1559mで、今後9年間で年約3・8億円を投入し整備を進める。
事業の投資効果は、総費用213億円に対し総便益691億円で費用便益比3・24となり、投資効果が認められた。
同海岸は、九十九里浜侵食対策会議が開催されるなど事業に対する地域住民・海岸利用者の意識が高まっているほか、一宮町の釣ヶ崎海岸が東京オリンピックのサーフィン会場に決定したことで、海岸利用者の増加が期待されている。
一方、新京成線(鎌ケ谷市)連続立体交差事業は、鎌ケ谷市の中心市街地を走行している新京成線において、交通渋滞や踏切事故の解消を図るとともに、鉄道により分断された市街地の一体化を図るため、鎌ケ谷大仏駅からくぬぎ山駅間の約3・3qを高架化し、既存の踏切10か所を除却する。
事業は98年度に都市計画決定し、01年度から事業着手。03年度に新鎌ケ谷区間で仮線運行を開始し、04年度に高架橋の築造に着手、13年度に全線仮線切り替えを完了した。その後、17年度に下り線(津田沼方面)の高架切り替え工事を完了、19年度に上り線(松戸方面)の高架切り替え工事完了を予定している。
事業期間は24年度までで、総事業費は495億円を見込む。16年度に事業の長期化による仮線借地費の増大や、進入路の変更による新たな進入路の整備費の増加などから、事業費を350億円から495億円に増額。また、仮線用地の確保の遅れや関連側道の整備に期間を要したことなどから、事業期間を7年間延伸し、24年度までとした。
事業の進捗は総事業費465億円に対し本年度末までに440億円を投入する計画で、事業費ベースで約89%となる。
事業投資効果は、総費用513億円に対し総便益972億円で費用便益比1・9となり、投資効果が認められた。