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北海道建設新聞社
2018/11/14

【北海道】帯広の旧双葉幼稚園園舎、保存活用へ 来春NPO設立へ

 市民の手で歴史的建造物を存続―。重要文化財の旧双葉幼稚園園舎は、2019年4月から地元市民で組織するNPO法人によって保存活用を進めることになった。法人名は「双葉の露」とし、設立準備委員会は会員募集を開始した。法人を通じて園舎の一般公開やイベント開催のほかに、施設の耐震改修にも取り組んでいく考えだ。
 文部科学省は17年7月末、帯広市内の旧双葉幼稚園園舎を重要文化財に指定した。園舎は1922(大正11)年11月に落成。印象的な赤い円形のドーム屋根を持つ帯広発展の歴史を伝える建物で、十勝管内で建造物の重文指定は初めてだった。
 しかし幼稚園自体は13年3月に閉園。今後100年にわたって園舎の新しい活用と園内に残された内部の貴重な資料の管理、研究を進めて次世代に引き継ぐため、重文指定に関わった関係者や卒園生らを中心に地元市民による活用保存の機運が高まり、NPO法人設立に至った。
 所有者の日本聖公会北海道教区には園舎の管理、利活用、改修、行政機関や各種団体との協働に関してNPO法人に委ねる了解を取っている。活動内容としては園舎を生かした社会教育やまちづくりなどを予定するほか、改修計画を作成した上で耐震化を進める考えだ。
 事業開始は19年4月を予定し、同年1月22日に設立総会を開く予定。設立準備委員会は会員の募集を開始した。正会員は年会費1万円、協賛個人会員は2000円、協賛団体会員は一口2万円とし、法人設立後に支払う形とする。
 設立準備委員会の代表で卒園生でもある遠藤崇浩帯広学園理事長は、3代目園長の故臼田時子さんが幼稚園存続に向けて心血を注いだ思いを引き継ぎ「帯広の財産として市民みんなで守っていける団体にしていきたい」と決意を語った。
 問い合わせは、事務局を務める1級建築士事務所オフィスK&Kの川村善規氏まで。