静岡市は、歴史文化施設隣地へ誘致する民間施設の利活用方針を検討するため、旧青葉小学校跡地利活用方針検討懇話会(会長・伊藤香織東京理科大学教授)を発足、5日に第1回会合を開いた。市は、誘致に当たっての前提条件を示した上で、期待される施設として宿泊施設、地域商品のセレクトショップ、温浴施設―の三つを例示した。
葵区追手町4ノ16、旧青葉小学校跡地の市有地約3400平方bに、定期借地権などを設定しての施設誘致を模索しているもの。隣地に建設する歴史文化施設との相乗効果を念頭に置いている。
市では、計画地の立地や敷地の特性をまとめ、誘致の前提条件として@都市のブランディング、日常的なにぎわいづくり、歴史文化のまちづくりへの貢献A周辺事業や施設との連携B周辺景観への配慮C質の高いデザインDまちなかからの歩行者動線の確保E「共有広場」の管理運営F地元雇用の創出や経済効果の発揮―の7項目を掲げた。
この条件を満たす施設として、例示した宿泊施設はインバウンド観光客、国内旅行者を想定したブックホテルを想定。セレクトショップは、歴史文化施設の利用者にマッチするカルチャーショップや土産物、特産のクラフト製品や雑貨、服飾品を販売し、地場産品を使った料理や地ビールなどを提供するレストラン・バーを併設した施設をイメージ。温浴施設は、エステティックやスパ・マッサージ、ヨガ教室や体操教室などの健康プログラムを提供し、自然食レストランなどを併設した施設を期待した。
3案は、ホテル的な施設に併設できる機能となっており、市では誘致に伴い具体的な施設イメージを示したものと言える。
懇話会では、市案に対し委員から、経営的に見て制約が多い、具体的なターゲットを絞るべき―といった意見が出された。
今後、市は、不動産事業者や宿泊施設事業者、物販事業者、飲食事業者、温浴施設事業者ら20社程度にヒアリングを行う。12月21日に予定している第2回懇話会では、誘致希望イメージと民間事業者の経営面との調整を図っていきたい考えだ。2019年1月下旬の第3回懇話会では、事業者公募条件を決定し、18年度内に利活用方針をまとめる。順調に進めば、19年度にも事業者公募を行う。
歴史文化施設建設計画は現在、SANAA事務所(東京都小平市)が実施設計を担当しており、順調なら19年9月議会案件として、上半期の工事発注を目指す。
提供:建通新聞社
(2018/11/14)
建通新聞社 静岡支社