日本工業経済新聞社(山梨)
2018/11/13
【山梨】年内に造成設計着手 県畜産課が八ヶ岳牧場の牛舎建設など計画
県は八ヶ岳牧場における牛舎建設や牧草地改良を計画している。草地畜産活性化特別対策の八ヶ岳南麓地区として進める事業は当初3カ年を想定。総事業費に3億3000万円を試算している。年内には、牛舎などの建設地造成工事の設計業者との契約を見込み、本格的な事業着手を迎える。
県畜産課では事業着手に向けて国に対して実施計画案を示していたところ、9月上旬に内示を、10月2日に交付決定を受けた。内容は、酪農家で生まれるオス牛を子牛市場に出すまでの間の面倒をみるための子牛飼育施設の整備に加え、牧草地の改良と給水設備の改良が計画されている。
当初段階では2017年度に計画策定を終え、19年度までの3カ年事業を構想していた。18年度当初予算にも事業費として1億1989万7000円を予算化したものの、事業進捗に若干の遅れが見られている。
子牛の飼育施設は、150頭を賄える牛舎(延べ約1000u規模)と堆肥舎(延べ約400u規模)を建てるとしている。建設予定地の牧草地は段差があるなど用地をならす必要があるため、まずは造成工事の設計に取り掛かる予定だ。年内には発注、契約を結ぶスケジュールだ。
草地改良は土壌を耕すとともに大きな石を取り除くなどを行い、肥料とともに牧草の種をまき生育の環境を整える計画。大平団地の牛舎の建設予定地東側の31・9haなど全体で46haの改良を行いたい考えだ。
給水設備改良は、大平団地の北東方向に当たる分場牧場(天女山分場工区)の飼育用の飲み水を確保するもの。現在は沢の水を利用しているが、ボーリングにより井戸施設を整備するとしている。
子牛飼育施設の整備により県は、甲州牛ブランド確立に向けて酪農家の負担を少しでも減らすよう支援を行っていく。