北陸農政局は9日、新潟市西蒲区の巻文化会館で「国営新川流域農業水利事業完工式」を開いた。関係者約200人が集まり、事業の完了を祝うとともに、地域農業のさらなる発展を誓った。
新川流域農業水利事業は、新潟市および燕市、弥彦村にまたがる西蒲平野の農地約2万ヘクタールを対象に、農業生産の維持向上と農業経営の安定化、農地の保全を図るため、新川河口排水機場と新川右岸排水機場の改修を行うもの。工期は06年度から18年度まで。事業費は266億6000万円。
式典には、国会議員および県議会議員を始め、国、県、関係自治体や西蒲原土地改良区から代表が出席した。冒頭、あいさつに立った北陸農政局の奥田透局長は「江戸時代に新川の掘削が始まって以降、多くの先人たちが西蒲原地域の安定に努めてきた。掘削開始から200年の節目に完工を迎えることができ、とても感慨深い」と語った。花角英世知事に代わり出席した来賓の緒方和之県農地部長は「県内有数の穀倉地帯であり、今後の地域農業の発展に大きく寄与するもの」と期待を込めた。
新川河口排水機場は総排水量240立方メートル/秒で、世界最大規模の能力を有する。日本海や河川に囲まれた西蒲原地域は低地のため排水施設が必須であり、地域を守る命綱として重要な役割を担っている。