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鹿児島建設新聞
2018/11/07

【鹿児島】本港区エリアGデザイン案/天文館と「共倒れ」危惧  大規模施設の規制見直しへ

 第4回鹿児島港本港区エリアまちづくり検討委員会が6日、鹿児島市のホテルウェルビューかごしまであった。グランドデザイン案が示され、大規模集客施設の土地利用規制は数字が削除。緩和等については「検討する」という文言に変更された。住吉町15番街区の方向性は、定期借地権での活用を基本路線とする。今回の意見等を踏まえて報告書にまとめ、今月中にも三反園訓知事に提出する方針だ。 

 素案からの主な変更点をみると、大規模集客施設の3〜5万uという数字は今後、千日町再開発ビルや中央町19・20番街区等の計画もあり、「これ以上の施設は共倒れになる」との意見が多く、数字を削除。「関係者の協力を得て、緩和等について検討する」という文言となった。 
 住吉町15番街区は、物揚場など係留施設の機能に配慮し、定期借地権での活用を基本路線とするが、難しい場合は売却についても検討する方針が示された。 
 導入機能は、交流(イベント、コンベンション)やかごしまの食を堪能できる飲食機能を追加。北側および西側外縁に広がる緑地・護岸(しおかぜ通り)は、既存の機能も生かしながらの活用を可能とする。 
 路面電車の取り扱いは、桜島や錦江湾を車窓から眺められ、施設間を結ぶルートを想定。鹿児島市では併用軌道として、ウオーターフロントパークとドルフィンポート敷地の間にある臨港道路(南北ふ頭線の一部)のルートを考えていることから、敷地の一体開発による道路の廃止に反対した。 
 委員からは「市電延伸が実現すると、世界でも類を見ない車窓からの景観となる」「電車が移動手段でなく、観光の目玉となる」−などの意見があった。 
 宮廻甫允委員長は「これを出発点にまちづくりのビジョンを明確にして、計画を具体化してほしい」と締めくくった。 
 今後のスケジュールは、28日に開会する第4回県議会定例会で議論後、パブリックコメント手続きを実施し、年度内にグランドデザインを策定する。 


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