日本工業経済新聞社(山梨)
2018/11/07
【山梨】復旧と強靭化加速 後藤知事が国交省などへ補正要望
国の第2次補正予算について後藤斎知事は6日、都内において国土交通省など関係機関への要望活動を行った。
活動は同省および農林水産省の事務次官などに対して行われ、重要インフラの緊急点検を踏まえた強靭化対策、成長力確保を目指す地域創生推進のためのインフラ整備を念頭に、使途を限定しない大規模な補正予算の早期編成を求めている。
また要望書提出に際しては、森林・林業分野における強靭化や防災・減災を含む農業施設の長寿命化、中山間地域の基盤整備などの事例を参考資料として添付しており、社会資本整備としては、橋梁補修の進捗状況を示す(修繕着手率=国約6割、県約2割、市町村約3割)など、早期整備が必要であると訴えている。
要望書の内容は次のとおり。
平成30年度公共事業の補正予算についての要望
大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号、台風24号、北海道胆振東部地震などにより、各地で多くの尊い人命や貴重な財産が失われ、激甚化する自然災害に住民の安全・安心が脅かされており、自然災害に対する県民の防災意識や安全・安心への要請が非常に高まっています。
各地の災害により、これまで経験したことのない事象が起こり、重要インフラの機能に支障を来すなど、経済や生活に多大な影響が発生したことから、重要インフラの緊急点検を行い、対応方策をとりまとめるとしています。
本県では、防災・減災、強靭化のための社会資本整備を「山梨県強靭化計画」等に基づき全力で取り組んでいますが、その財源を毎年度、国の補正予算により総額を確保している状況であります。
また、健全なインフラを将来に引き継ぐための老朽化対策は、国と地方が一体となって適切に維持管理・更新を進める必要がありますが、特に地方においては財源の確保が大きな課題となっているところです。
さらに、地域に活力を与え、安心して暮らすことができ、将来にわたって成長力の確保を目指す地域創生の推進には、成長力を高めるインフラ整備にも取り組むことが不可欠であります。
つきましては、災害からの復旧および重要インフラの緊急点検を踏まえた強靭化の加速が喫緊の課題であることに加え、引き続き地方にとって大きな課題である成長力の強化、戦略的な投資による経済的な効果の最大化のためにも、公共事業予算について、使途を限定しない大規模かつ大胆な補正予算の早期編成を強く要望します。
平成30年11月6日
山梨県知事 後藤斎