香川県農政水産部は2018年度〜22年度までの老朽ため池整備促進計画第11次5カ年計画に沿って、事業費153億円を投じ、老朽ため池の整備推進や、ため池の耐震化整備を推進する他、中小規模ため池の防災対策を促進する。17年度までに着手した大規模ため池(貯水量10万d以上)の耐震化整備の早期完了と、新たに防災上重要な中小規模ため池の耐震化整備を加えた、ため池の総合的な防災対策を推進する。
第11次5計では▽老朽ため池の整備推進▽ため池の耐震化整備推進▽中小規模ため池の防災対策の促進―を3本柱に410カ所(大規模ため池の継続6カ所を含む)の整備を推進する。
1968年度当初の県内の老朽ため池数は1570カ所。第1〜10次計画期間中の補足調査などで老朽ため池と診断された、ため池を合わせると4749カ所。このうち1〜10次計画で3484カ所を全面改修し老朽化の状況から今後整備が必要なため池は1265カ所に上る。
11次5計では1265カ所のうち、堤体、樋管、洪水吐けの老朽度調査で老朽化が進行している「総合判定A」の140カ所のため池を、事業費96億円を投じ、全面改修する。総合判定がB段階の165カ所のため池については、事業費15億円投入して部分改修する。
計画期間中に中規模ため池(1000d以上10万d未満)の整備率を43%から45%に引き上げるために、全て整備が完了している貯水量5万以上を除き、中規模ため池の中でも規模が大きく防災上重要な、貯水量(5000d以上5万d未満)のため池に重点を置いた整備に軸足を移す。整備率は17年度の67・2%から22年度で71・4%まで引き上げる方針。
一方、ため池の耐震化の状況は、貯水量10万d以上の大規模ため池は17年度末までに県が実施する39カ所のため池全てに着工。18年度以降は事業費14億円で継続6カ所の、ため池整備の早期完了を目指す。
貯水量10万d未満の中小規模ため池は、大規模ため池と同様に下流域に住宅や公共施設が多く、地震等で決壊した倍に甚大な被害の発生が想定されるため、防災上重要な中小規模ため池30カ所を想定し、事業費27億円を投じ、調査ボーリングや安定解析などの耐震性点検調査を18〜20年度で実施。同調査により耐震補強工事が必要とされた、ため池の耐震化整備を順次19年度から22年度まで実施する。
さらに、貯水量5000d未満の中小規模ため池のうち管理者不在などの管理面から災害の発生が懸念されるため池75カ所について、1億円を投じ防災対策を促進する。
老朽ため池整備の第1〜10次5カ年計画(1968年度〜2017年度)で全面・部分改修、耐震整備、防災対策を合わせて5387カ所のため池数、事業費1314億3000万円の計画に対し、実績は8063カ所の整備と事業費1575億4000万円を投じてきた。
第10次5カ年計画(13年度〜17年度)からは、近い将来に発生が懸念される南海トラフ地震等に備えて、決壊した場合に被害の発生が予想される、貯水量10万d以上の大規模ため池の耐震化整備を進めてきた。
提供:建通新聞社