北陸地質調査業協会(理事長・平野吉彦キタック専務取締役)と北陸地方整備局との意見交換会が10月31日、新潟市中央区のホテルオークラ新潟で開かれ、生産性向上や品質確保をテーマに討議した。
この日は協会から平野理事長と丸山正記副理事長ら22人、整備局からは内藤正彦企画部長、小山浩徳地方事業評価管理官ら7人が出席。内藤部長は「我々が進める多くの事業は地質調査業が基礎となって進んでいくものであり、入り口部分を支えてもらっている。次の時代を担う若者が集まる環境づくりをともに行いたい」と述べた。平野理事長は「担い手確保は全産業で共通の課題だが、地質調査業は特殊で、仕事の内容が一般の方に見えづらく理解を得にくい業種。地質調査の魅力を分かりやすく伝えることが重要であり、今後の課題となる」と話した。
生産性向上に関する事項のうち、まず協会は事業量の安定的・継続的な確保を要望。整備局は、来年度は今年度を上回る予算確保を目指すとした上で、中央への積極的な働きかけを求めた。地質リスク調査業務の採用については、「重要性は十分に把握している。引き続き調査の予算確保に努める」と応じ、「従来の調査からさらに踏み込んで行いたいと考えており、アドバイスをいただきたい」と前向きな姿勢を示した。
品質確保の項目に関し協会は業務着手時期の明記を求めた。関連業務が同時進行で調査方針が定まっていない、地元説明がまだなどの理由で受注後直ちに着手できないケースがあるという。整備局は、特記仕様書に記載できるよう検討すると答えた。また、3次元地質モデルを活用した業務発注について、地質と地層の3次元構造把握を前提としたボーリングや物理探査による調査の実施を要望。整備局は「調査段階から活用していくことが大事であり、重要なテーマ」との認識を示し、BIMやCIMの活用を図ると応じた。
担い手確保では、ボーリング技術者の減少が話題にあがった。女性技術者がいないことも指摘され、若者や女性が活躍できる業界を目指していくことで一致した。