一般社団法人プレストレスト・コンクリート建設業協会(会長・藤井敏道ピーエス三菱代表取締役社長)と北陸地方整備局との意見交換会が10月30日、新潟市中央区で開かれた。働き方改革や生産性向上など、双方が抱える課題について意見を交わし、解決方法を探った。
この日はPC建協から藤井会長を始め、大野達也副会長、上野進一郎副会長、宮崎優北陸支部長ら37人が参加。整備局からは吉岡幹夫局長、内藤正彦企画部長ら10人が出席した。会の冒頭、あいさつに立った吉岡局長は「担い手確保に向け、長時間労働の是正、労務単価の引き上げを進めたい。とにかく若い人に来てもらうことが大事。皆さんと連携し、良い議論をしたい」と述べた。藤井会長は「北陸地整との意見交換は6回目。週休2日など働き方改革、生産性向上を実現するため行ったこれまでの取り組みで分かってきた課題を提案させてもらう」と話した。
意見交換では、最初にPC建協側が取り組みを報告し、整備局側へ提案と要望を行った。「年度工事量の安定的な確保」では、北陸地整発注のPC工事量が年度によってばらついていることを指摘。地域拠点存続の観点から、工事量の安定的・持続的な確保を求めた。整備局は今後本格化する管内道路事業に触れるとともに、重要物流道路の指定に伴う将来の道路計画について検討中であると展望を語った。
週休2日が可能な工期設定では、積算基準における供用日数の見直しを要望。整備局は片持架設が合理化調査の対象になっていると説明した。また、協会は国交省以外の発注者への週休2日工事推進に向けた対策の指導を求め、整備局は発注者協議会で重点項目として周知を徹底していると応じた。
プレキャスト技術の採用促進も要望。スパン24−45メートル程度の橋梁について、原則としてPCコンポ橋やUコンポ橋などプレキャスト構造を採用するよう求めた。特にUコンポ橋はPCコンポ橋よりも桁高を低くでき、箱桁橋や中空床版橋に替わるものと主張した。これに対し、整備局は安全性向上、コスト削減などプレキャスト技術の有効性を認め、「ガイドラインを踏まえ、比較検討に含めていく」と前向きな考えを示した。