八千代市の第3回庁舎整備基本計画検討委員会が先月30日に開催され、敷地内配置について検討したほか、オフィス環境整備現況調査等業務の中間報告を受けた。このうち敷地内配置検討では、借地部分の民有地を取得できた場合(A案)と、取得できない場合(B案)の2案が示された。B案については、周辺住宅への影響や使い勝手など課題が多いとされたほか、両案とも駐車台数の不足への対応が指摘された。
庁舎整備に関しては本年度、基本計画策定支援業務を梓設計(東京都品川区東品川2−1−11)、オフィス環境整備現況調査等業務をイトーキ(千葉支店・千葉市中央区中央1−11−1)に委託して進めている。
これまでに、市庁舎旧館及び新館を建て替えるとともに、それに併せて分散している上下水道局庁舎と教育委員会庁舎も本庁舎敷地に集約するという整備方針を決定している。
今回示された敷地内配置案では、両案とも集約に必要な床面積(想定庁舎規模)を1万8500uとしているが、今後、オフィス環境整備現況調査等の結果に基づき検証し直し、必要があれば修正を加える。
敷地内配置案のうちA案は、北側の都市計画道路に面した借地部分(現在は駐車場)の民有地を取得できた場合を想定したもの。現況敷地(約2万5000u)をすべて使えることから、新庁舎を敷地北西側に整形に配置するとともに、車両出入口及び車寄せを北側道路側に設置。既存別館及び第2別館は改修して転用(第2別館に上下水道局等)。倉庫棟(平屋建て800u)を別棟として新築する。
庁舎の階数は地下1階地上5階建て。駐車台数(平置き)301台、駐輪台数167台、バイク台数74台。必要緑化面積(敷地面積から建築面積を除いた面積の30%)5534u。仮設庁舎は不要。
住宅地からの間隔を確保した位置に庁舎を配置することが可能なほか、北西側にまとまった敷地を確保できるため整形で使い勝手の良い庁舎を建設することが可能。また、車両の主出入口を北側とすることで、ゆとりのある車寄せとバス停を設置可能。
一方、B案は、借地部分(約4500u、地権者3人)を取得できない場合を想定したもの。新庁舎を建設するためのまとまったスペースを確保できないため、第2別館を撤去した上で敷地北西側に不整形なかたちで配置。別館だけは改修して転用するものの、上下水道局は新たに敷地北側に新築。倉庫棟(平屋建て800u)はA案と同様に別棟として新築する。
庁舎の階数は地下1階地上5階建て。ただし、北西側は日影規制により3階建てまでしか建てられない。駐車台数173台、駐輪台数167台、バイク台数74台。必要緑化面積4158u。仮設庁舎は不要。
西側住宅地に近接した配置となるため、周辺住宅に対する影響が懸念されるほか、不整形の庁舎となるため内部のプランニングが制約される。また、敷地が狭いため、十分な車寄せとバス停を確保することができない。
駐車台数に関しては、A案の場合でも十分確保できないため、立体駐車場の整備や上下水道局跡地の駐車場への転用を検討する必要があるとしているほか、B案については立体駐車場や上下水道局跡地を転用しても十分な必要台数を確保できない可能性があるとしている。
このほかオフィス環境整備現況調査等業務の中間報告では、人口規模が類似している他都市の近年の新庁舎建設事例との比較が示された。それによると、同市の職員一人あたりの庁舎規模は現庁舎(1万5860u)で18・02u、新庁舎(想定規模1万8500u)でも21・02uで、県内の習志野市(22・54u)や浦安市(35・08u)、県外の日立市(31・76u)や甲府市(34・11u)と比較しても決して過大な規模ではないことが説明された。