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建通新聞社(神奈川)
2018/10/31

【神奈川】みなとみらい線留置場トンネル ECI的手法で整備

 横浜高速鉄道会社は横浜市中区山手町地内にみなとみらい線(MM線)の車両留置場を整備する。元町・中華街駅から港の見える丘公園方面に向かって▽単線×2の曲線部▽複線の分岐部▽2連の車両留置部―の3断面で構成し、最大土被り約50b、延長約580bのトンネルをNATMで構築して10両×4編成を収められるようにする。総事業費約150億円を見込み、八千代エンジニヤリング(横浜センター、横浜市保土ケ谷区)が地質・環境調査、概略設計、測量を担当。設計段階から施工者が関与する手法(ECI的手法)での整備を考えており、2018年度内に指名プロポーザル方式で事業者(優先交渉権者)を選んだ上で、まず技術協力業務を任せる方針だ。
 MM線の車両は現在、東京急行電鉄・元住吉車庫の一部を借地して留置。ただ、借地期限が19年1月までとなっている他、東急電鉄も22年度下期の相鉄・東急直通線の開業に向けて車両増備を予定しているため、自前の車両留置場を整備することになった。他社の車両を含めた引き上げ機能も持たせる。
 計画するトンネルは公共用地(港の見える丘公園)を極力活用する形でルートを練った。具体的には、元町・中華街駅の終点方から単線トンネル(幅約6〜7b、高さ約7〜8b)×2の「曲線部」が延長約210b、2線と進路変更装置を配する複線トンネル(幅約14〜15b、高さ約10〜11b)の「分岐部」が延長約100b、4線を設ける2連トンネル(幅約22〜23b、高さ約9〜10b)の「車両留置部」が延長約270b。2%の上りこう配で上総層群の岩盤を貫く格好で、分岐部の土被りが約50bと最も深い。また、土被り約25〜30bの曲線部については民有地を通過するため、区分地上権を設定して所有者に金銭補償する。
 今後の測量で現地の地形を把握し、19年度以降の設計の深度化(八千代エンジニヤリングに業務委託予定)に備える。一方、ECI的な手法の採用は断面が異なるトンネル整備の工期短縮などを狙ったもので、技術協力業務を通じて最適な施工方法などを固めることができれば、同業務を担当する優先交渉権者と別途、工事の契約を結ぶ。工事への地元企業の参画も視野に入れている。
 今回の計画に関連して学識経験者らの検討委員会(委員長・西村和夫首都大学東京学長特任補佐)を組織しており、節目節目で助言を求めることにしている。

提供:建通新聞社