大津市企業局は、再構築事業を進める大津終末処理場(由美浜)について、耐用年限を迎えるT系水処理施設の更新整備に係る実施設計(担当は中日本建設コンサルタント梶jを今年度内に取りまとめ、その設計業務のなかで工事発注の方式を決定していく考え。以後のスケジュールとしては、来年度にヒアリングや市場調査を行い、バリューフォーマネーの概念に基づいて工事概算費を算出。工事発注に係る詳細設計は、20年度の業務着手を目指しており、今のところ1ヵ年から2ヵ年以内で詳細設計を取りまとめ、21年度以降からの工事着手を予定。耐震化・窒素除去技術を導入し高度処理化した水処理施設として再生を図る。各種業務は日本下水道事業団(JS)への委託を検討。T系の整備中はU系を延命化を図りながら稼働させ、T系の整備の終わる37年度からは旧T系施設を撤去するとともに、耐用年限を迎えるU系についても再構築事業を開始したい考え。耐用年限まで10年程度となったU系水処理施設の長寿命化対策工事、機械・電気設備およびポンプ設備更新についても順次、取り組んでいく。
今後は、今年度から40年度まででU系水処理施設で予定される改築更新整備を行い、計画的な改修により、標準耐用年数の1・5倍延命化することを目指す。U系水処理施設のうち、15年度末で4設備が対策済みのところ、20年度に23設備、24年度で79設備、28年度には132設備全てについて整備を完了する目標。
大津終末処理場の対象区域面積は1471・3f、対象処理人口は10万8700人。施設内部は▽最初沈殿池▽エアレーションタンク▽最終沈殿池▽第一・第二汚泥処理棟▽消毒槽▽汚泥濃縮棟▽第二ポンプ棟▽本館管理棟―より構成。計画処理能力はT系が3万3500立方b、U系が5万4900立方b。また水処理施設以外では▽皇子山中継ポンプ場▽晴嵐中継ポンプ場▽比叡平中継ポンプ場―など上屋のある10ヵ所の中継ポンプ場、そして139ヵ所のマンホールポンプ場―などで構成されている。
再構築事業は、供用開始から45年以上を経過、老朽化と人口増に対応するため計画され、これまでに各種更新工事を実施してきたが、約2万9000平方bと手狭な敷地ほぼいっぱいに各種施設が張り付いており、周辺敷地を使っての再構築が不可能な状況であることから、水処理施設の更新整備が最後の難関として残されていたもの。
提供:滋賀産業新聞