名古屋市緑政土木局は、総合排水計画の改訂に向けて中間案を取りまとめた。治水施設整備では、名古屋駅に近い中川運河について、新たに名古屋港管理組合と連携して治水機能の強化に向けた検討を行う。また、IoT技術を活用して、降雨予測などに基づき河川・下水道などを柔軟に運用するといった、既存ストックを最大限活用した、総合的な治水システムの構築を検討する。
治水施設の整備目標は、時間雨量63_(年超過確率10分の1の降雨)に対して浸水被害をおおむね解消する。名古屋地方気象台における過去最大の時間雨量100_に対しては、床上浸水をおおむね解消することを目標に掲げる。また、都市機能が集積し、浸水による影響が広域に及ぶ地域は、整備目標水準以上に被害軽減に向けた取り組みを行う方針。
河川整備では、市管理1級河川の堀川・新堀川と市管理2級河川の戸田川、山崎川、扇川・大高川、植田川を優先整備河川とする。準用河川は洪水リスクや都市機能への影響度が高い河川について優先的に整備する方針。
雨水下水道管は、浸水リスクや都市機能の影響度が高い地域を対象に面的整備を行うとした。
洪水リスクは、河川の重要度や越水の発生状況、河川形態、河口での樋門の有無などで判定する。浸水リスクは、浸水被害の発生戸数や頻度の他、浸水シミュレーション結果を活用して危険度を考慮する。
都市機能への影響度は、なごや集約連携型まちづくりプランの地域区分などを踏まえて判定する。
提供:建通新聞社