国道15号の上部空間を活用した品川駅西口駅前広場整備事業の具体化に向けて、産学官の連携による検討会が10月29日、設立された。同日に開かれた初回の会合では、施設設計・整備の考え方について、国土交通省が論点を整理。事業手法の方向性として、「賑(にぎ)わい広場」は民間事業者が立案・整備する新たなスキーム、「センターコア、交通広場」は官民関係者の連携整備、「次世代型ターミナル」はPPP/PFI手法をそれぞれ検討するとした。2018年度内に施設計画や構造形式、事業制度、施工計画をまとめる。
検討会には国交省と東京都に加え、事業協力者に選定された京浜急行電鉄と西武プロパティーズ、JR東日本が参加。座長には日本大学理工学部の岸井隆幸特任教授が就いた。
駅前広場整備事業は、駅西側との通行を分断している国道15号について、立体道路制度により道路の上部空間に駅前広場を整備するというもの。北側から順に、次世代型交通ターミナルとセンターコア、賑わい広場を配置するイメージをこれまでに示している。検討会では施設構造について、渋谷駅東口交差点のように土木構造物を道路上に整備する「独立構造型」と、みなとみらい21クイーンモールのように建築物の一部として整備する「沿道一体型」の2パターンを例示した。
賑わい広場については、民間事業者が施設計画の作成と整備を実施するスキームを想定。民間事業者を公募し、施設配置や整備・運営手法について提案を募る事業手法を検討する。
センターコアは、品川駅東西通路の延伸という位置付け。交通広場は駅前広場としての滞在機能も備え、受益者の負担による整備を検討。両エリアについて、官民連携による協定方式での整備を考える。
次世代型交通ターミナルは、自動運転など最先端のモビリティーを集約した施設。交通手段の技術革新に応じた進化をコンセプトに掲げ、事業採算性の確保も必要なことから、意欲的な民間事業者から提案を募ることを「理想」とした。道路施設としての性格も備えており、民間による施設計画の立案・整備が可能なPPP/PFI手法を検討する。
提供:建通新聞社