近江八幡市が県の同意を得て、今月17日付で「農村地域への産業の導入の促進に関する法律」(農村産業法)の規定に基づく『近江八幡市農村地域への産業の導入に関する実施計画』を新規に策定した。
地区の名称「桐原地区」(所在地・地番=日吉野町字横大道806外5筆)の面積1万1757平方b(現況地目=農地〔田〕1万1484平方b、宅地〔農業用施設用地〕273平方b)を産業導入地区と定め、農村地域へ工業等他産業の導入を促進。農業従事者に魅力的・安定的な就業機会を創出し、不安定兼業者などの地元労働力、特に若年者の地元定着化を図り、地区内農村地域で課題となっている人口減少傾向に歯止めをかける。
対象区域は、市道若宮上田線が南辺を接する既存工場敷地の北側で、市道日吉野8号線が既存工場敷地および新設工場敷地の東辺に接する。既存工場の事業者が隣地で事業の拡大を予定。実施計画の策定を受け同社は今後、農振除外、農地転用、開発許可など諸手続きを進め、19年度の造成工事へと進める見通し。同社は、これまでも農村地域の従業者の安定的な就業の場となっていることから、事業の拡大により更なる地元雇用の受け皿として期待される。
桐原地区は、市の西部に位置し、農村集落が点在する田園地帯と、公共施設や住宅地が立地する市街地とで成り立っている。地区全体では人口が増加傾向にあるものの、農村集落では減少傾向であり人口維持が課題となっている。また、大規模な工場が少なく、周辺に比べ雇用吸収力が弱いことも課題となっていた。
しかし、都市計画法上の工業系用途地域にも工業系以外の用途地域にも、必要な面積を確保できる未利用地が存在しないため、農村集落の維持、農業と工業等の均衡ある発展と雇用構造の高度化に資することを目的に、農業上の影響が最小限となる農村産業法の規定に基づく実施計画を策定し、「産業導入地区」の選定という手法を選んだ。
提供:滋賀産業新聞