富山市は、公営住宅月岡団地第3期街区建替事業(PFI・BT方式)の審査講評を公表した。
〈総評〉
本事業には3グループから提案がなされたが、いずれの提案も地域特性に配慮し、民間事業者ならではの創意工夫が随所に盛り込まれた内容であった。本事業の基本的な考え方を取り入れ、高齢者や障害者、子育て世代などの入居に際し、それぞれのライフスタイルに合った住戸タイプが提案されており、特に、子育て世代の入居を促すために低層棟において工夫が見られたことが、高く評価できる内容であった。
また、あらかじめ設定した各業務に関する要求水準を上回る提案も見られ、公営住宅の整備にあたり、建物の性能を確保しつつ、建設費やその後の維持管理費を抑えた提案となっていた。
Zグループ(日本海建興・ビートープグループ)の提案においては、事業計画については、業務遂行体制、確実な資金調達、リスク管理の提案が、評価された。
設計業務については、入居者の利用に配慮した動線計画、動線や通風に配慮した中層棟の提案、月岡団地全体を視野に入れた低層棟の配置計画が、評価された。
建設・工事監理業務については、詳細なスケジュール計画、工事期間中の歩行者の安全確保等の提案が、評価された。
選定された事業者におかれては、そのノウハウを最大限に活かして、提案事項を確実に実現するとともに、市は業務水準の維持・向上のための継続的なモニタリングを実施されたい。また、本事業をよりよいものとするため、選定された事業者には、以下の項目について十分に配慮して整備・運営いただけるよう選定委員会として要望する。
・環境保全、負荷低減の観点から、西日対策について、配慮いただきたい。
・中層棟のエレベーターについて、隣接する住戸への防振・防音対策を確実に行っていただきたい。