富山県土木部と富山県建設業協会は26日、高岡市の高岡工芸高校で、高校生に地域建設業の魅力をPRする「出前講座」を開催した。
生徒に建設業の社会的役割やものづくりの素晴らしさ、建設技術者の仕事内容を伝えることで、将来を担う若年層の入職と定着を促進する目的で開いたもの。
この日は土木環境科と建築科の1年生80名が参加。同協会が作成した建設業の役目、仕事内容を紹介するDVDを放映後、県土木部建設技術企画課の阿部雅文主幹が建設業の役割をはじめ、新湊大橋や富岩運河環水公園といった社会資本整備の事例、建設業の仕事の流れなどを説明した。
続いて、同校卒業生の技術者2人が建設業のやりがいなどを紹介。西村工業の朴木晃大氏(土木環境科OB)は、「自分たちの目で見て、分かるようなまちづくりに関われることがやりがい。まだまだ未熟だが、作業員の方に迷惑を掛けず、利益を出していきたい」、塩谷建設の越後正太氏(建築科OB)は、「東京支店勤務となり、新国立競技場などオリンピック関連の建設に携わっている。様々な方と悩んで相談して出来上がった建物を見た時は本当に嬉しい。プロとして自分を出せるようになるため、資格取得にチャレンジしていきたい」と伝えた。
地元企業からは、早木工業の早木康満代表取締役専務が、「建設業は災害時には、いの一番に現場に駆けつけ、地域の生活を守る大事な仕事。3Kのイメージがあると思うがIT化が進み、環境は大きく変わっている。せっかく建設学科に入ったのだから、業界を知っていただき、目標を持って勉強してほしい」、山本建設の山本玲緒奈代表取締役社長は、「一人前の技術者になるまで、辛抱する時期は長いが、それを越えると、みんなのために役立つ仕事と思えるようになる。現場の環境改善にも取り組んでおり、楽しいこともある」と説明した。
質疑応答後、早木専務は「建設業がなくなると生活できない。卒業後は建設業界を目指してほしい」と強調した。