安芸市は、新庁舎の移転に向け、市街地の北側に位置する土居地区や僧津地区の三つのエリアを建設候補地とし、庁内で検討している。今後各エリアの調査を進め、2018年度末までに候補地を絞り込み、議会に提出したい考え。
移転候補地としている土居地区や僧津地区は、市街地北部を東西に通る県道高台寺川北線より北側にあり、南海トラフ地震発生時の津波浸水想定区域外に位置する。候補地は全て現状民有地で、用地取得などが必要となる。その他土地の状況など候補地のメリットとデメリットを総合的に勘案し、絞り込みを進めていく方針。
市庁舎の移転を巡っては、16年度に有識者で構成する建設地検討委員会が、今後建設が予定される地域高規格道路の安芸中インターチェンジ(仮称)から県道高台寺川北線までの区域が望ましいとする答申を提出した。しかし、この場合用地取得を伴うため、津波対策に必要な公共施設の移転などを対象とし、地方交付税による財政措置の割合が発行額の7割と高い緊急防災・減災事業債の期限である20年度までの完成が見込めないことから、市は17年11月に市街地西部の桜ケ丘町にある市有地への移転に方向転換した。執行部は17年12月議会と今年3月議会の2回、庁舎を移転する条例案を提出したが、可決に必要な出席議員3分の2以上の賛成を得られなかった。そのため横山幾夫市長があらためて新候補地を選定する意向を示していた。
現在の安芸市庁舎は、1959年建築で鉄筋コンクリート造4階建て延べ1555平方bの東庁舎、82年建築で同造地下1階地上4階建て延べ2306平方bの西庁舎などで構成。耐震性がなく老朽化が著しい。
提供:建通新聞社