鳴門市の新庁舎建設に向けた基本計画を検討する有識者会議「新庁舎建設基本計画検討委員会(委員長・田中弘之鳴門教育大学副学長)」は22日、第5回会合を開き、市が最有力案として提案していた現庁舎敷地内に分散する行政機能(6庁舎)を一つの庁舎に集約し建設する「1棟体制(建て替え)案」を指示することを決めた。次回11月初旬の会合で基本計画案について議論する。市は年内の基本計画策定を目指していく。
建て替え案の指示(決定)は懸案となっていた増田建築とされる故増田友也氏設計の現本庁舎などを今後解体撤去することを意味する。委員会は最終的に市民アンケートなどの結果を尊重。現本庁舎敷地が新庁舎の建設地として最もふさわしく、また、市民は財政負担をしてまで増田建築の保存を望んでいないと判断した。
当日市は、新庁舎の建設場所・現本庁舎の存廃の他、基本計画の素案段階の考え(基本理念・基本方針、導入機能、規模等施設計画※事業手法やスケジュールは示さず)も示し意見を求めた。新庁舎の規模をおおむね1万〜1万2000平方bとする他、新庁舎には地震に強い免震構造設計や備蓄倉庫、ICT化、多言語案内表示、カフェコーナーやコンビニの設置、自然エネルギーの活用などの他、グリーン庁舎やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の導入などを見込んでいる。
現本庁舎は鉄筋コンクリート造3階建て延べ4312平方b。1963年建築で老朽化しており、耐震性能もIs値が0・47と不足している。財政状況が厳しい市は、熊本地震を契機に国が創設した市町村役場機能緊急保全事業が活用できる20年度の着工を目指している。建設工事費について市は、新庁舎の規模を1万2000平方bとした場合、54億円(平方b単価45万円)と試算している。
基本計画の策定は大建設計大阪事務所(大阪市西区)が担当している。
提供:建通新聞社