九州地方整備局鹿児島国道事務所は、国道3号鹿児島東西道路の東西トンネル下り線(仮称)整備に向けた準備を進めている。施工年数は、今後の現場条件や予算等により変更も見込まれるが、現段階で11〜15年を想定している。同局管内で初めてとなる道路シールドトンネルを採用。鹿児島市街地部での工事になるため慎重に事業を進める。
工程のうち、上荒田地区立杭(約3〜4年)は、掘削機械(シールドマシン)の投入、掘削により発生する土砂搬出および資材搬入等に使用。コンクリート製で大きさは幅約17m、長さ約25m、深さ約18m、土被り約3m、壁の厚さが約2mある垂直方向の坑道となる。
現在、上之園町側の地中連続壁工で土留め工を施工中。その後、地盤改良工(約4〜5カ月)や道路切り替えを行い、上荒田町側でも同様に進めて完成後、掘削工と本体工を実施。トンネル完成後は、ランプの一部として使用する。
現場では今後、遮音パネル(H3m)や施工機械の縮小(H約20m)、市道切り替え回数を1回に減らすなどの環境対策を強化を図る。
次のステップのトンネル(約5〜6年)は、直径11.43mのシールドマシンを製作。24時間体制で掘削が行われるため、地上では掘削土砂ピットや機械を操作するオペレーター室、トンネル壁となるセグメント等の資材を置く防音ハウスを設置して掘削に入る。
掘削後には換気ダクト(約180m)や2基のジェットファンに続き、非常駐車帯拡幅等の附属施設を整備する。
甲南IC(仮称)ランプ(約2〜3年)の延長は約160m。そのうち、開削区間(約90m)は地盤改良工を行い、函渠(L約45m、W約10m)、U型擁壁(L約45m、W約9m)を設ける。最後に舗装等(約1〜2年)を行い供用する。
なお、本線と東西トンネル下り線と直接連結する田上高架橋下部工にも着手する。