県が進める鹿児島港本港区エリアまちづくりの第2回検討委員会が30日、鹿児島市のホテルウェルビューかごしまであり、民間事業者7者(県外5者、県内2者)が提出した内容が公表された。ドルフィンポート敷地(DP敷地)とウオーターフロントパーク(WFP)をメーンに複合商業施設やホテル等の配置が大半を占めた。また、市電延伸による回遊性向上を具体的に示した提案もあった。
主な導入機能は、北ふ頭の貨物上屋を撤去して高度医療機関、観覧車や室内型エンタメ施設、シーサイドレジデンス等を設置する大規模な開発をはじめ、エリアを限定して住吉町15番街区にホテルやコンベンション、海上バスターミナルとする提案があった。
また、クルーズ船の寄港増を見込み、1号貨物上屋を改修して税関施設、路面電車の延伸とバスターミナル設置による公共交通機関での誘導策を盛り込んだ提案や、既存の県営駐車場を立体化する計画も示された。
実現させるための規制緩和は、第一種特定建築物制限地区による大規模小売店舗の面積制限、トランジットモール化に関する規制全般等の見直しを求めている。
委員からは、「県有地は、売却していい土地とダメな部分を分ける考えも」「海の道の拠点として離島の発信機能がない」「他エリアとの差別化は」−などの意見が出た。
坂元浩鹿児島市建設局長は「市電延伸は着工までに法的な手続きに4年程度かかる。施設整備の時間軸と整合性をとりたい」と話した。
宮廻甫允委員長(鹿児島大学名誉教授)は、「DP敷地とWFP一帯の開発を、いかに成功させるかが成功の可否に関わる。段階的な整備による柔軟な対応も必要になってくるのでは」と締めくくった。
今後のスケジュールは、委員からの意見等を踏まえ、提案事業者からの市電延伸等を含めた周辺地区とのアクセスやエリア内の動線確保、事業スキーム、資金計画等について対話を通して詳しく聴取。その結果を開発区域のほか、導入機能および機能配置イメージ、事業手法、土地利用規制の見直しを含め、今後の進め方などをグラウンドデザイン素案に反映させる。