東京都は、土木業種で初めてとなる技術者育成モデルJV工事の試行を「石神井川整備工事(その163)」で実施することを決めた。建築工事2件に続く試行第3弾で、大企業と都内中小企業による2者編成のJV結成を入札参加条件に設定。構成員となる中小企業に45歳以下の技術者を配置することを求める。対象工事では、石神井川の片岸で延長170bにわたって護岸を整備する。工事発注規模は「A03」(予定価格9億円以上16億円未満)。11月上旬に希望制指名競争入札を公表する。
モデルJV工事は、入札契約制度改革の本格実施に合わせ、都内中小企業の技術研さんの機会を創出し、技術力を確保・向上させることを目的に試行する。第1順位企業(代表構成員)を大企業、第2順位企業を都内本店の中小企業とするJV結成を入札参加の条件とする。都内中小企業には、3カ月以上の直接的・恒常的な雇用関係にある45歳以下の技術者を1人以上配置することも求める。
また、都内中小企業の技術者の育成に関する成果(習得した技術)と、その成果を企業内にどのようにフィードバックしたのかについて報告書を提出してもらう。
モデルの対象とする工事は、建築が「予定価格9億円以上WTO政府調達協定基準額(22億9000万円)未満の工事」、土木が「予定価格7億円以上WTO政府調達協定基準額未満の工事」の中から選定する。
都では今後、土木工事の中から次のモデル工事を選定し、契約手続きを行う予定。
これまでに発注した建築工事2件では、「都営住宅30H―109東(江東区辰巳一丁目)工事」の落札者が決定した一方、「都営住宅30H―106西(多摩市諏訪五丁目)工事」ではJVによる参加申請がなかったため、混合入札に切り替えて契約手続きを進めている。
提供:建通新聞社