金沢市民の台所・近江町市場の老朽施設を建て替える近江町市場地区複合商業施設整備事業の安全祈願祭と起工式が23日、建設地で執り行われ、関係者約60人が工事の安全を祈願した。複合施設は店舗や立体駐車場のほか、賑わいを創出する公益施設などで構成。20年3月の完成、4月の開業を予定する。
起工式では、事業施行者である近江町市場商店街振興組合の吉村一理事長が「新しい施設はキッチンスタジオを新設し、金沢の食文化の継承と振興の一助になればいい。狭くて不便だった駐車場も十分なスペースを確保し、皆さんに喜んでいただけるものと自負する」とあいさつ。来賓の山野之義市長、清水邦彦市議会議長が祝辞を述べた。
神事では、設計を担当したアール・アイ・エーの岩永裕人代表取締役社長が鎌入れ、吉村理事長と大口水産(共同事業者)の出口力代表取締役社長が鍬入れ、施工を担当する兼六建設の橋本和雄代表取締役が鋤入れを行い、工事の無事完成を祈念した。
老朽化した「近江町市場名店街・駐車場」(上近江町ほか)を建て替える。建設規模はS造地上5階建て延べ約9060平方メートル。1階に地権者の店舗や倉庫のほか、食事ができる多目的スペースや料理教室などが開けるキッチンスタジオを配し、2階以上が駐車場(225台収容)となる。2021年に開場300周年を迎える市場の賑わい創出と来街者の利便性向上に向けて計画された。