秋田市上下水道局は、仁井田浄水場更新の基本設計等業務を開札し、日本水工設計が落札候補者となった。配置計画や施設計画、施工方法などを検討する基本設計、水道事業変更認可申請書や水利使用許可申請書の作成、官民連携導入可能性調査を行うもので、履行期限は平成32年3月19日。同事業における現時点でのイニシャルコストは約190億円、50年間のランニングコストは約351億円と試算されている。
市は老朽化や耐震性能不足といった課題を抱えている同浄水場を全面更新することとしており、浄水処理方式は急速ろ過方式で、浄水処理フローは粉末活性炭処理+凝集+沈殿+急速ろ過で計画している。計画給水量は仁井田浄水場で1日65,000㎥、豊岩浄水場(豊岩豊巻字上野164)の活用で35,000㎥、更新時の計画給水人口は29万人となる。
急速ろ過方式により、濁度をはじめ各項目で現状の水質を確保するほか、夏場の粉末活性炭処理により、かび臭物質や全有機炭素、総トリハロメタンの除去レベルを上げるとともに、雄物川への農薬流出などにも対応する。
事業では更新だけではなく、耐震化やバリアフリー化も計画。停電対策の自家用発電設備、サイバーテロ対策の監視制御システムセキュリティ強化、環境負荷の低減を見据えた太陽光発電の整備のほか、浸水対策の盛土、侵入者対策の赤外線センサー、監視カメラ、フェンス設置なども想定している。
今回の基本設計等業務のうち、官民連携導入可能性調査では、導入時の課題や補助・支援制度の適用可能性のほか、事業内容・事業範囲、事業方式(PFI、DBO、DBなど)、事業期間についても検討する。
可能性調査は31年8月末までに完了させる。仮に官民連携の形をとる場合は33年度までに民間事業者の選定などを行い、34年度の着工、39年度の稼働を目指す。通常の発注形式となった場合は民間事業者の選定手続きがない分、着工は1年ほど早まる予定。
提供:秋田建設工業新聞社