神奈川県は、県立都市公園におけるPark―PFI(公募設置管理制度)の活用に向け、民間事業者から幅広くアイデアを募集することになった。収益施設の市場性の有無などを確認する「マーケットサウンディング調査」を実施するもので、▽具体の公園名・活用区域を特定したアイデア▽公園名などを特定しないアイデア―について提案を受け付ける。16日に事前説明会の申込受付を開始した。
調査区域は、27の県立都市公園のうち、開園済みの区域、用地取得済みで未開園の区域、または都市計画決定済みで今後の事業化を検討している区域を対象とする。
応募対象者は、Park―PFIを活用した事業主体として、参画意向のある民間事業者、またはそのグループ。事前説明会(31日に横浜西合同庁舎で開催)に参加しない場合でも、アイデアを提案することができる。提案の受け付けは、電子申請システム(http://www.pref.kanagawa.jp/docs/tu5/parkpfi.html)で11月1日から12月4日まで行われる。
19年度は、公募条件案を作成し、この案を提示して民間事業者の参画意向などを確認する調査や、Park―PFI事業者の選定作業を行う方針だ。Park―PFI事業を実施するのは、20年度以降になる。
Park―PFIは、民間事業者が収益施設と公共部分を一体的に整備する制度で、広場や園路などの公共部分(特定公園施設)の整備に、飲食店や売店などの施設(公募対象公園施設)から得られる収益を充当するのが特徴。
同制度では、公募で選定された事業者が公募対象公園施設を設置・管理するとともに、公園管理者が指定する園路や広場などを合わせて整備することが求められる。公募対象公園施設から得られる収益を公園整備に還元することを条件に、設置管理許可期間20年(通常は10年間)、建ぺい率12%(同2%)などの特例措置を受けることができる。
県は建ぺい率を上乗せするため、県立都市公園条例を今年4月に改正している。
なお、国土交通省のPark―PFI活用ガイドラインによると、休養施設(主な施設=休憩所、ベンチ)、遊戯施設(同=滑り台、シーソー、砂場)、運動施設(同=野球場、陸上競技場、サッカー場)、教養施設(同=植物園、動物園、図書館)、便益施設(売店、飲食店、宿泊施設)などが公募対象公園施設として位置付けられている。
提供:建通新聞社