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建設経済新聞社
2018/10/17

【京都】京都市が3事業を新規採択 70億の鴨川東岸線(第3)等

 京都市は15日、公共事業新規採択時評価の結果を公表。街路事業の鴨川東岸線(第三工区)、道路事業の後院通、河川事業の安祥寺川の3事業に新規着手する。
 市は新たに採択する公共事業のうち総事業費が10億円以上のものについて、事業を所管する各局が設置した評価委員会で事業着手の必要性や効率性等を評価し、その結果を公表している。今回の3事業は全て建設局の所管で、評価は全てAの緊急かつ戦略的な整備が必要な事業とした。
 街路事業の鴨川東岸線(第三工区)は総事業費70億円。事業区間は東山区一橋宮ノ内町〜東山区福稲下高松町。延長はL573m、幅員はW26・3m〜29・4m。完成予定年度は48年度。
 鴨川左岸の出町柳から十条通に至る南北幹線道路の鴨川東岸線においては、塩小路から南の3つに分けた区間について、第一工区(松風橋から十条通までL312m)は整備が完了し、第二工区(岸ノ上橋から松風橋までL715m)は整備中で、残る第三工区(塩小路通から岸ノ上橋までL573m)の整備を行うもの。第三工区の整備で鴨川東岸線を完成させ、市内中心部から京都高速道路(阪神高速8号京都線)へのアクセスの向上及び南北方向のボトルネック解消など交通問題の改善を図る。
 環境景観への配慮事項では、車道部において騒音低減効果が期待できる排水性舗装の採用を検討。また東側は住宅に面するため、施工にあたっては騒音及び振動対策を実施する。
 事業の評価結果について「事業により高速道路ネットワークが向上するとともに、南北方向のボトルネック解消など交通問題が改善される。また琵琶湖疏水の東側に幅員4mの道路を整備することで、自転車歩行者の安全な通行が確保される」とした。
 費用便益比(CBR)は2・46。
 道路事業の後院通は総事業費14億円。事業区間は中京区壬生朱雀町(千本三条)〜中京区錦大宮町(四条大宮)。延長はL770m、幅員はW16・3m。完成予定年度は35年度。
 四条通と千本通をつなぐ幹線道路で避難路にも指定されている後院通について、歩道幅員が狭く横断勾配も急なうえ、電柱類などの占用物件が歩道上に多数設置され車いす等の通行にも支障をきたしており、また多くの電線類が景観を阻害していることから、歩道拡幅及び段差・勾配の改善などの抜本的な道路改築により、バリアフリー化を図るとともに、無電柱化を行うことで安全で快適な歩行空間の確保や、都市防災機能及び都市景観の向上を図る。
 環境景観への配慮事項では、車道の舗装を排水性舗装とし、車両の通行による騒音の軽減を図る。また歩道の舗装を透水性舗装とすることで雨水の浸透を促進し、歩行者の快適性を確保する。
 費用便益比(CBR)は、バリアフリー化及び無電柱化を図る事業について、事業に係る費用便益分析の算出手法が確立していないため、事業の投資効果を示すことはできないとした。
 河川事業の安祥寺川は総事業費38億円。事業区間は山科区御陵鳥ノ向町〜山科区御陵田山町。延長はL200m、幅員はW3・5m。完成予定年度は44年度。
 大文字山に源を発し山科区安朱地域を流れ、山科川へ注ぐ延長2・9q、流域面積4・3kuの河川である一級河川安祥寺川について、流域のうち0・7kuを占める平地部では市街化が著しく進行していることから、雨水流出量が増加し、治水安全度が低下しているため、25年9月発生の台風第18号と同規模の大雨が発生した場合でも浸水被害が生じないよう、JR東海道本線及び京阪京津線を横断する水路トンネルを新設し、流下能力の向上を図る。京都府が四宮川、京都市が安祥寺川の整備を進める。
 環境景観への配慮事項では、都市部の貴重な水辺である現況河川を残しつつ、新たに水路トンネルを整備することで、現況河川環境への影響を低減する。
 費用便益比(CBR)は46・89。