第29回香川県環境影響評価技術審査会(会長・金子之史香川大学名誉教授)が10月11日、県庁内で開かれ、イーレックス(本社・東京都中央区京橋2ノ2ノ1)が坂出市林田地区に計画している、「(仮称)坂出林田バイオマス発電所整備事業」の環境影響評価方法書(環境アセスの設計書など)に対する知事への答申案について審議。おおむね原案通り了承した。同答申に対し今月下旬にも事業者に対する県知事の意見書を発出する。
知事意見の発出後は、イーレックスが同意見を基に12月頃から環境調査に着手し予測・評価を実施。これに基づき19年度から環境影響評価の準備書(環境保全対策等の検討結果)の作成に入り、引き続き同準備書に対する技術審査会の審査を受ける。当初示した方法書によると、2021年度下半期から着工し、23年度からの運転開始を目指す。
(仮称)坂出林田バイオマス発電所整備事業計画は、坂出市林田町番屋前4285ノ214他の敷地4万3600平方b内に、パームヤシ殻と木質ペレットの2種類のバイオマスを燃料とする、出力約7万5000`hのバイオマス発電所を新設する。
1時間当たりの最大排出ガス量は32万立方bを見込む。工期は基礎、建屋と機器据え付けで着工から運転開始まで約2年間。方法書の作成は国際航業(東京都)が担当。
答申案には方法書の記載事項に加え、数点に及ぶ事項に十分留意し、環境影響評価を実施。その結果に基づき、環境影響評価準備書を作成するよう求めた。環境影響評価選定項目に▽工事の実施で、工事用資材等の搬出入と建設機械の稼働による硫黄酸化物と浮遊粒子状物質▽造成等の施工による一時的な影響や燃料等の搬出入において粉じん等―を新たに追加した。また、大気環境で半径450b内に住宅があることから、冷却塔から放出される白煙の影響や、バイオマスに有害物質が含有される場合の燃焼による大気環境への影響の調査、予測・評価、高層気象の現地調査の検討などを求めた。
プラントからの排水が水環境に与える影響の調査、予測評価や土壌環境・その他の環境において工事に伴う土地の形質変更がある場合の、土地の使用履歴を準備書に記載するよう、求めている。この他、燃料のバイオマス(PKS、木質ペレット)に付着が懸念される外来生物の輸入後の具体策の明示や、廃棄物で発電所から発生する灰のセメント原料などへの有効利用の検討に加え、工事に伴い発生する残土について極力、有効利用することなどを盛り込んだ。
提供:建通新聞社