県医務薬事課は、地方独立行政法人秋田県立病院機構が進めている脳血管研究センターの機能強化で、新棟建設に伴い解体する旧成人病医療センターの解体工事補助金を12月補正予算案に計上する。法人は現在、解体費の積算を詰めており、新棟建設の施工者への特命随契も視野に入れている。平成31年1月から現場に入り、繰り越しで解体・整地する。脳血管研究センターの既存棟改修・修繕は県が当初予算案に補助金を計上し、法人が新年度早期の発注を目指す。
事業は脳血管研究センター(秋田市千秋久保田町6の10)と成人病医療センター(同6の17)を機能統合し、循環器疾患の包括的なケアを目指すもの。脳心血管病を包括的に診療する「急性期脳心血管病診療棟」として建設する脳研センター新棟(増築棟)の本体工事は大林組・大森建設・羽後電設工業・互大設備工業特定建設工事JVの施工。
県の9月補正予算では、新棟建設の増工分に対応する「脳血管研究センター施設整備費補助金」として8,036万6,000円を予算化。増工は地中埋設物の撤去費用が6,515万5,000円や、法令基準への適合(PET、MRI移設等によるもの)が1億7,496万9,000円、工事監理費が404万4,000円で、計2億7,645万8,000円となっている。
解体する旧成人病医療センターは昭和43年に建設された鉄筋コンクリート造6階(地下1階)建て、延べ床面積5,050.91uの施設。法人は県の補助金予算化を待って工事を発注し、年明けから解体に入りたい考え。
また、新年度から改修・修繕を行う脳血管研究センターの既存棟は昭和58年に完成した施設で、改修・修繕後は外来・回復期診療・研究機能を担う「回復期診療棟」としてリハビリテーション機能の充実を図る。整備は老朽化している空調配管、外壁などの工事を行うもので、基本設計段階での事業費は概算16億3,000万円と試算されている。
なお、秋田県立病院機構では、プロポーザルで選定を進めていた新棟建設に伴う移転業務について、このほど日本通運秋田支店を特定している。
提供:秋田建設工業新聞社