7月の西日本豪雨で流失した大成橋(大洲市)の復旧について、愛媛県は橋梁管理者の大洲市に代わり再建を行う。早ければ年明けに発注作業に入り、年度内に着工する。大成橋は肱川に架かる長大橋で、周辺住民にとっては生活道としてなくてはならない橋梁。流失により困難を来しており、一刻も早い再建が望まれている。
復旧(架設)には長大橋架設の技術的な課題や国との協議事項などもある上、早期復旧が求められていることから、大洲市は長大橋架設の実績がある県に協力を要請、県が再建を行うこととなった。
大洲市は、大成橋復旧事業として9月補正予算に2億8980万円を計上するとともに、2020年度までの債務負担行為として7億1415万円(限度額)を予算化し、県へ事業委託する。
7月5・6・7日と降り続いた記録的な大雨により大成橋は流失した。7日朝、地元住民が異様な音を聞き、大洲市に連絡。職員が駆け付け、橋梁の流失を確認し、県へも被災を報告した。増水の影響で橋脚は2基とも折れ、橋桁も流され、橋台2基を残すのみの姿となっている。
場所は森山。路線は、肱川を挟み国道197号と県道小田河辺大洲線を橋梁で結ぶ市道大成橋線。
流失した橋梁の概要は、延長117・7b、車道幅員4・2b、片側歩道幅員2b。下部工は橋台2基、橋脚2基。上部工は車道部が3径間連続非合成鈑桁、歩道部が3径間単純鋼床版鈑桁。1972年3月に車道部が完成し、88年3月に歩道部が添加された。
復旧に伴う橋梁設計は大洲市が四電技術コンサルタント松山支店(松山市)に委託したが、事業移譲により県が引き継ぎ、調整を進めている。委託期間は19年3月29日まで。同規模の橋梁架設が計画されており、事業期間は4カ年を見込む。
県は現地調査や設計を進めるとともに、国土交通省と事前協議を進めており、12月に災害査定を受け、年度内の着工を目指している。
提供:建通新聞社