日本工業経済新聞社(埼玉)
2018/10/12
【埼玉】埼電協が技術研修会開催
埼玉県電業協会(岡村一巳会長)は4日、会員企業である潟Cートラスト埼玉(行田市)の新社屋に導入された地中熱を利用した省エネ冷暖房設備など、環境エネルギー関連設備を見学する2018年度第1回技術現場研修会を開催。最新の省エネ設備の機能や実用性について学んだ。
開始にあたり岡村会長は見学会の場を提供した同社の山本和利社長にお礼を述べた後「環境に優しく、今注目されている地中熱に関する情報をぜひ今後の参考にさせていただきたいと思います」とあいさつ。
昨年春に完成した新社屋には地中熱利用による冷暖房設備のほかにも、壁面と屋上に太陽光発電施設が設置されており発電した電力を蓄電。また一部の窓に薄膜有機太陽電池を取り付け、室内の照明には画像センサーによる制御コントローラーを採用するなどゼロエネルギービルを目指した機能が充実している。
研修会では山本社長自らがまず施設概要を説明。地下10mほどに達する井戸の掘削、採熱管の施工のようす、冷媒液を循環させる仕組みなどを解説。引き続き地中熱を利用するために最も重要となるBH(ボアホール)の施工状況をビデオで上映。実際の工程を確認した。
その後は社屋に設置された各設備を見て回り、建屋のメイキングビデオを鑑賞。完成後の昨年とことしの太陽光によるZEB関連設備の発電実績の報告を受けた。
質疑応答では地中熱利用設備の導入にあたり受けられる国、県など自治体の助成金や申請手続きなどについて質問が寄せられ、山本社長が個々に応じた。
同社では今後、余剰電力の売電のため、FIT適用で12月からの売電開始を予定。完全ZEB化に向けて燃料電池設備の導入を計画しており、実現すれば購入電力と売電量がほぼ同量になるという。
閉会にあたり市之P正靖技術研究委員長は「これからのエネルギーや電気設備の可能性など、いろいろな話をいただきありがとうございました」と締めくくった。