震度6強以上の地震で倒壊・崩壊の危険性が高いなどとされた横浜市内の大規模民間建築物に、建て替えや耐震改修に向けた新たな動きが出てきた。市の「要緊急安全確認大規模建築物の耐震診断結果」(9月26日更新版)によると、昭和大学藤が丘病院(青葉区)のB棟は建て替え、横浜舞岡病院(戸塚区)の本館は耐震改修で対応する他、長津田厚生総合病院(緑区)の建て替え着工時期が2019年3月となった。K―1ショッピングセンター(旭区)の耐震改修工事が12月、第百ビル(西区)の耐震改修工事が21年に始まる見通しだ。
耐震改修促進法で耐震診断が義務付けられた市内の大規模民間建築物は80施設。17年3月時点の耐震診断結果では、震度6強〜7程度の地震で倒壊・崩壊の危険性が「高い」施設が19施設(安全性ランクT)、同じく「ある」施設(安全性ランクU)が12施設となっていた。
このうち9月26日更新版で動きがあったのは病院・診療所の3施設、集会場・公会堂の2施設、物販業店舗とホテル・旅館の各1施設で合計7施設。
個々に見ると、昭和大学藤が丘病院のB棟は耐震改修などとしていた対応が建て替え(時期未定)に決まった。昭和大学、市、東京急行電鉄の3者による東急田園都市線・藤が丘駅周辺のまちづくり検討で、同病院の再整備の方向性も練られることになっている。
横浜舞岡病院の本館は耐震改修と建て替えの比較検討を経て耐震改修を採用した。19年11月〜20年6月に工事を実施する。長津田厚生総合病院は17年4月だった建て替えの着工時期が19年3月に改められ、20年6月の解体着工予定も20年5月から段階的に行う形にスケジュールが変わった。
K―1ショッピングセンターは耐震改修工事を12月〜19年10月に実施。第百ビルは耐震改修の着工が17年から21年となった。22年の完了を目指している。
孝道山本仏殿のA棟(神奈川区)は耐震改修設計の着手時期が17年から18年に変更。ホテルコンチネンタル横浜の駐車場棟(中区)は耐震改修か建て替えかを検討していることが明らかになった。
提供:建通新聞社