今月1日に公表された滋賀県の『平成30年度工事関係委託業務発注見通し(第2回見直し)』に、築84年が経過する愛知川橋梁「御河辺橋(みかべばし、橋長327b)」の架け替えを含む県道雨降野今在家八日市線(東近江市神田町〜中岸本町)道路改築事業の概略設計を発注する見通しが新規に掲載された。開会中の県議会定例会に上程されている今年度一般会計補正予算рノ予算を盛り込み、12日の本会議での議決を前提に、発注見通しに掲載した。
業務種別は「建設コンサルタント」。入札契約方法は「簡易型一般競争入札(総合評価方式)」。業務概要は「道路概略設計約6q(約2q×3ルート)」。「第3四半期」に発注し、履行期間を「約5ヵ月」としていることから、今年度内にルート案を策定し、19年度からルートの決定に向け協議が開始されることになりそうだ。
同路線の整備に向けては、昨年12月20日に八日市商工会議所(村潔会頭)が呼びかけ、東近江市商工会、関係地区のまちづくり協議会・自治連合会・自治会・道路利用企業の代表、市議会議員ら32名が出席して意見交換会を開催。早期整備実現に向けた熱き思いの相次ぐ発言に、即日『県道雨降野今在家八日市線(御河辺橋)整備促進連絡会』の組織化を協議・決定し、今年2月14日に早速、知事・県議会への要望活動を展開。
長年、前進が見られなかった状況に、経済団体が主体的に関わり、官民並びに地元が一体、総力を結集して活動を推し進めた結果、今年3月に策定された滋賀県道路整備アクションプログラム2018で同路線の整備が「事業化検討路線」から「前期(〜22年度)着手」に格上げされた。しかし、18年度予算編成後の決定のため、立ち止まらずに前進するためには最初のコンサル、『概略設計』を発注する予算の確保が課題となっていた。
県道雨降野今在家八日市線はこれまで、東近江市の基幹道路として産業・経済の発展に大きく寄与し、生活道路としても湖東・愛東地域と八日市地域を結ぶ生活道路として重要な役割を担ってきた。しかし、御河辺橋は老朽化から05年(平成17年)より重荷制限がかかり車道部5・4b、歩道部1・5bと幅が狭く、また、中岸本町内でも狭隘から交通事故が多発、更には発生が危惧される大規模災害による通行遮断の可能性も大きく、経済界及び地域住民にとって早期整備は『永年の悲願』。
行動が先行して組織としての初会議となった7月9日の第1回連絡会に、東近江土木事務所の谷宏己道路計画課長を招き、「今後の流れ」について説明を聞き、同規模の事業では国庫補助採択を得られる熟度に達するまで(=事業着手まで)に5年程度、工事着手までは少なくとも10年程度の期間を要するとの説明に、出席者から着工までの期間短縮の可能性を問われ、谷課長は「初期の段階ではルートの決定、着工準備段階では用地買収が大きな課題になる」と答え。連絡会が目標とする早期実現には、様々な立場の関係者が協力し合うことが不可欠との認識に得る機会となり、今後も引き続き、関係機関への要望活動のほか、関係者の情報共有・連携強化のための事業を精力的に展開する事業計画を決定している。
提供:滋賀産業新聞