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建通新聞社(神奈川)
2018/10/10

【神奈川】生活排水処理施設整備構想 県が改訂素案

 神奈川県は、「生活排水処理施設整備構想」の改訂素案をまとめた。施設の早期概成を目指す国の方針に基づき、2025年度の生活排水処理率99%を目標としている。整備方針などとして、効率的・経済的な整備手法の選定、下水道整備に10年以上かかる地区での合併処理浄化槽の弾力的対応、汚水処理の事業運営に関わる「広域化・共同化計画」の策定を盛っている。パブリックコメントなどの手続きを経て、19年1月に改訂構想を策定する方針だ。
 整備構想は、県内の下水道や農業集落排水施設、合併処理浄化槽など生活排水処理施設の整備の基本方針と、県内全域の生活排水処理施設の目標を示し、市町村が施設整備を進めるための指針。1997年3月の策定以降、2回改訂している。
 整備目標である生活排水処理率は16年度末時点で97・9%。全国平均を約7ポイント上回っているものの、市町村別では12市町が全国平均を下回る。下水道への接続や合併処理浄化槽への転換に要する経済的負担、人口減少や高齢化の進展などが課題だという。
 改訂素案では、▽各地域の人口動態・分布の見通し▽既存施設の設置状況(経過年数、管理状況、更新計画)▽建設・維持管理にかかるコスト比較▽用地確保の難易度―などを考慮し、それぞれの地域に最も適した効率的・経済的な整備手法を選定するとしている。
 施設の早期概成に向けては、人口減少を踏まえて集合処理施設整備区域を適切に見直す。また、クイックプラン(早期・低コスト型下水道整備手法)の導入などで、25年度までに整備をおおむね完了させる考え。下水道整備に10年以上かかる地区については、浄化槽整備などによる弾力的な対応を行うとしている。
 構想を実現するため、県と市町村は、地域特性に応じた効率的整備を進める。特に、相模川水系・酒匂川水系取水堰の県内集水域においては、水源環境保全・再生のための超過課税を生かして施設整備のスピードを速める。中でもダム集水域では、富栄養化状態にあるダム湖の水質を改善するため、県は窒素・リンを除去する高度処理型合併処理浄化槽を整備していく。
 改訂後は、25年度に内容を点検し、適宜見直す。また、汚水処理施設の老朽化に伴う大量更新時期の到来、人口減少に伴う使用料収入の減少などに対応するため、汚泥の利活用を含む汚水処理の事業運営に関わる「広域化・共同化計画」を22年度までに策定するとしている。

提供:建通新聞社