新潟市は5日、第2次下水道中期ビジョン検討委員会(座長・五十嵐由利子新潟青陵大学短期大学部副学長)の第4回会議を開いた。経営分析を踏まえ、現在の下水道の状況や次期ビジョンに盛り込むべき課題について意見を交わした。
下水道中期ビジョン改訂版の計画期間が18年度末に期限を迎えることから、今後の基本的方向性について意見を集め、次期ビジョンに反映させるための会議。この日は経営分析を通して今後の課題を抽出した。当初はビジョン素案の議論を予定していたが、経営分析を進める中で独自の課題が浮かび上がったとして、開催を増やした。
冒頭示された現中期ビジョンの主な指標達成見込みによると、浸水対策率は目標79・2%に対し見込み72・7%、長寿命化計画策定は管渠が目標41・0キロに対し見込み52・6キロ、処理場・ポンプ場が目標24施設に対し見込み27施設。また管渠耐震化率は目標5・9キロに対し見込み4・6キロ、汚水処理人口普及率は目標87・5%に対し見込み88・2%となった。合併市町村を中心に着手が遅れたため政令市平均に比べて普及率は低く、西蒲区と南区では47%台に留まっている。
今後の検討課題に挙がったのは、事後保全型管理から予防保全管理への転換(ストックマネジメント計画)、限られた財源の中でも選択と集中によるバランスのとれた施設整備を行うことなど。施設更新にあたってはPPP手法導入の可能性を視野に入れ、中長期的に適用範囲を拡大していくことも必要とされた。
11月から12月に予定する次回会議でビジョン素案を示す方針だ。