滋賀県企業庁は、吉川浄水場管内の「南部工業用水道」の管路更新を計画している。全長約15qに及ぶもので、今年度はそのうち湖南団地ライン管路更新工事を年内に新規発注予定で、併せて水口ライン、積水水口ラインの基本設計にも着手、以後は順次、詳細設計・工事へと進める考えだ。
南部工業用水道は、湖南地域7市町(草津市、守山市、栗東市、野洲市、湖南市、甲賀市、竜王町)の立地企業に対し、工業用水を供給するために整備したもの。水源は琵琶湖で、浄水(沈澱)処理の後、配水池までポンプで送水し、そこから各工場(受水企業45社)まで自然流下により給水を行っている。給水は旧湖南地域の昭和43年が最初で以後、地域を南部地区・石部甲西地区に拡大している。計画給水量は8万3860立方b/日、現施設能力は7万4400立方b/日。
今回、更新の対象となるのは、▽湖南団地ラインφ600〜100_×L5・13q、▽水口ラインφ500〜100_×L7・54q、▽積水水口ラインφ450_×L1・15q―。また管路を廃止するのが▽朝国バイパスφ600_×L0・85q、管路を更新済みなのが▽TOTOラインφ150_×L0・55q。
なお、同庁では水道用水供給事業として「吉川浄水場」の耐震対策を計画。係る詳細設計を日水コン(滋賀事務所・大津市)の担当で来年3月15日を完了めどに進めている。工事については来年度から順次発注予定。
吉川浄水場の耐震対策は、現在の施設が大規模地震時には敷地の液状化により機能不全に陥る危険があることから、総事業費(概算)で87億円(税抜)をかけて、現在の敷地(野洲市吉川)隣接地に新たに3万立法b/日の処理施設(凝集沈澱+急速ろ過方式)を整備、その後に馬渕浄水場・南津田導水ポンプ場、水口浄水場・水口導水ポンプ場の順に耐震対策を施すもの。
耐震対策で設けられる新たな構築物としては▽導水ポンプ施設(ポンプ井を含む)▽着水井▽急速撹拌池▽沈澱池(上向流式・傾斜管)▽再凝集混和池(ろ過池流入前)▽急速ろ過池(一般重力式)▽薬品注入施設▽塩素混和池▽浄水池(6000立方b程度)▽送水ポンプ施設▽場内配管▽場内整備(正門、進入路含む)▽中央監視操作施設。既設の改良工事としては▽薬品注入設備の増設及び更新(次亜塩注入ポンプ及び貯槽の更新、PAC注入ポンプ及び貯槽の更新等)▽既設導水ポンプ及び流入調節弁専用化の検討―。
また液状化対策は杭基礎ではなく地盤改良工法で実施、さらに新施設と馬渕浄水場及び水口浄水場を繋ぐ連絡管を整備して相互に必要水量をやり取りしていく。
提供:滋賀産業新聞