熊本地震で住宅に被害を受けた被災者のために建設を進めていた宇土市の境目団地災害公営住宅が落成した。熊本県が設計・施工を受託して完成した初の災害公営住宅。9月29日に式典が行われ、宇土市の元松茂樹市長、県の蒲島郁夫知事、九州地方整備局の井浦義典建政部長、設計・施工業者らが出席し、完成を祝った。
元松市長は「国土交通省が基本計画を策定して、県がKAP事業として整備していただいた」と感謝し「工事では、記録的な猛暑の中、2カ月も前倒しの完成となった」と施工関係者を称えた。
来賓挨拶では、蒲島知事が「仮設住宅に住まわれている方々が本格的な住まいを確保してこそ、初めて心の復興ができる」、井浦部長が「熊本地震から一日も早い復興を目指し、様々な工夫とご努力を行われた賜物」と祝辞を贈った。
設計・施工業者を代表して中村建設の池ア一彦社長は、「宇土市や県の皆様とのチームワークがうまくいき、寒い時期を前に被災者の皆様に住宅をお届けすることができた」と完成の喜びを述べるとともに、地域住民や協力業者へ感謝した。
境目団地は、長屋造りの住宅25戸(W造平屋建、1LDK13戸、2LDK10戸、3LDK2戸、延べ約1400平方b)と、集会所1棟(W造平屋建71平方b)で構成し、くまもとアートポリスプロジェクト(KAP)として整備。建築を中村・昭和JV、電気・機械設備を西田電工、設計・監理を龍・西山共同企業体が担当した。
事業費は、建築約4億2300万円、電気・機械設備約9800万円、設計・工事監理等約3700万円。
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