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日本工業経済新聞社(茨城)
2018/10/01

【茨城】県がICT施工実績で加点/19・20年度資格審査基準示す


 県土木部は、2019・20年度(平成31・32年度)における県建設工事等請負業者の入札参加資格審査(格付)基準を改正する。従来の「客観点」を「経営事項審査評価点」に、「主観点」を「技術等評価点」にそれぞれ変更し、ICT施工や週休2日(4週8休)の取り組みなどに対して加点する。優良工事表彰では対象年度を従来の過去3年から2年に、知事表彰の加点を20点から30点(17年度分は20点)に改正する。新制度としては、昇級する場合でも事前の申し出に応じて現在の等級への残留が可能な残留措置制度を創設。審査申請受付期間は11月6日(火)〜12月3日(月)で、従来より約2カ月早くなる。19年3月中に入札参加資格および格付決定の上、4月1日付けで適用する。
 今回の改正は、建設業における生産性向上と働き方改革促進に資する取り組みや、県が重点的に推進する施策に対する取り組みに関して重点的に加点するとともに、技術力や品質確保の面を特に評価する仕組みになっている。
 県独自の基準で客観的に評価する技術等評価点(旧主観点)は、理論上の最高得点を587点に改正(従来は605点)。技術者の確保・育成、常勤雇用・若年者雇用、企業立地、ワーク・ライフ・バランス(週休2日等)、女性活躍などの項目で配点が増加し、工事成績、優良工事表彰、社会貢献活動が減少した。
 項目ごとに見ると、新規に「新たな技術の導入(ICT施工)」を盛り込み、国、地方公共団体、特殊法人等が発注したICT技術を活用した工事の施工実績に10点を加点する(県外施工を含む)。
 ワーク・ライフ・バランスの項目では、現行の配点5点を合計12点とし、長時間労働の是正、休日増加、育児・介護休業(休暇含む)の取得などの取り組み実績がある場合に5点を加点。その内容が週休2日または4週8休による労働環境改善の場合は、さらに5点を加点する。
 女性活躍では、申請日現在で女性活躍推進法第8条に基づく一般事業主行動計画を労働局に届出した者に5点を加点。配点は合計10点となる。
 常勤雇用・若年者雇用は上限を30点から40点に改正。従来に加え、インターンシップの受入や就職説明会といった若年者の入職を促す取り組みを行っている場合は5点/人を加算する。
 技術者の確保・育成を見ると、上限を40点から50点に改正し、CPDS・建築CPD(設備CPD含む)について、過去2年における取得ユニットまたは単位の総数に応じて加点する(10ユニットまたは10単位ごとに1点)。
 このほか、企業立地では18年6月8日以降申請日現在において、国内外の新たな成長分野(AI、IoT、ロボット、次世代自動車など)の本社機能・研究所などの移転に関する情報提供に対し、移転成立通知がなされた場合、新規に10点を加点する。
 工事成績については、地域ごとに発注量に差異があるため、受注件数に応じた加点(平均点数65点以上の場合)から、補正係数を工事成績の素点に直接乗じる方式に変更。補正係数は成績点数に加算される数値の上限を10点に設定。補正係数は1件の場合が1、2〜4件が1・01、5〜8件が1・02、9件以上が1・03で、最大360点となる。
 優良工事表彰は対象年度を過去2年度に変更。知事表彰の配点を20点から30点に改正する。部長表彰は10点で据え置き。
 社会貢献活動については、県との防災協定に基づき実際に防災活動を行った者の上限を20点から10点に改正する。
 このほか、入札参加資格および格付制度に関する改正として残留措置制度を創設。審査の結果、昇級となる場合であっても、事前に昇級を希望しない申し出をした場合、現在の等級に残留することが認められる。
 また、社会保険加入対策の強化として、今回から建設コンサルタント業務委託の全ての入札参加資格業者に社会保険等の加入が義務付けられる。
 なお、今回の入札参加資格審査から、名簿の適用期間は会計年度に合わせ「4月1日〜2年後の3月31日」に変更される。
 19・20年度の受付期間は11月6日〜12月3日。これまでより2カ月程度早くなっているため、注意が必要だ。
 ただし、9月決算の企業などを考慮し、今回の定期受付に限り、12月25〜28日の4日間を特例受付期間として設定。@県知事許可業者のうち定期受付の申請受付期間後に経審を受審した者A国土交通大臣許可または他都道府県知事許可業者のうち直近の決算日を審査基準日とする経審の結果通知書受領が定期受付の申請受付期間以降となった者―については、特例受付期間に申請できる。
 また、11月19日(月)、26日(月)、28日(水)および12月17日(月)に経営事項審査を追加して実施する(予備日12月27日(木))。
 県では来年3月中旬〜下旬に入札参加資格・格付決定を行い、4月1日から資格の適用を開始する。