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建通新聞社(東京)
2018/10/02

【東京】都 発注平準化、19年度以降の取組内容検討へ

 東京都は、公共工事の品質確保や建設業の働き方改革の一環として、発注時期のさらなる平準化に向けた取り組みを検討する。工事発注時期の平準化に向けて2015年度末に掲げた「集中期と端境期の発注件数の比率を18年度に1・5倍程度とする」との目標の達成に向け、設計業務を含めた発注の前倒しや債務負担設定の活用などを進めつつ、関係各局による庁内連絡会を通じてこれまでの状況を分析した上で、19年度以降の取り組み内容をまとめていく考え。
 都の発注工事は例年秋がピークで、最も多い10月と最も少ない4月では約6倍の差があった。10〜12月の集中期と、3〜5月の端境期では約3倍の開きがあり、年度当初の閑散期には技術者や建設機械の稼働率が低く生産性が低下する一方、繁忙期には専門工事業者が不足し、技術者の時間外労働や休日出勤の増加など労働環境が厳しくなっている。
 こうした状況を踏まえ都は、建設業の技術者の育成・確保を含む受注環境を安定化させることで、社会資本の持続的な整備につなげることが必要との観点から全庁的な検討を実施。15年度末に「18年度をめどに集中期と端境期の発注件数の比率を1・5倍程度とする」との目標を設定し、設計業務を含めた発注の前倒しや、工期12カ月未満の工事への債務負担設定などを積極的に進めてきた。
 特に建設局では、17年度に業務の「3月納期」を原則禁止し、工事の平準化計画に合わせて債務負担を活用する方針を打ち出した。18年度は「3月納期の原則禁止」を継続しつつ、新たに「早期発注により4〜12月納期の割合を4割以上」とする目標を設定。工事については17年度、集中期と端境期の契約件数比率を「2倍以下」、年度の稼働件数と平均稼働件数の比率を「0・8以上」とする目標を掲げ、18年度はこれをさらに引き上げ、契約件数比率を「1・5倍程度」、稼働件数比率を「0・85以上」に設定している。
 こうした取り組みの結果、都全体で集中期と端境期の工事発注件数の比率は16年度に約2・3倍、17年度に約2・2倍に縮小した。
 最終年度を迎えた18年度は、引き続き各局が連携して目標達成に向けた取り組みを進める。また、関係各局による庁内連絡会を開き、各局ごとにこれまでの状況を分析した上で、工事の種別や特性などに応じた19年度以降の取り組みの内容や数値目標を固めていく。

提供:建通新聞社