日本工業経済新聞社(茨城)
2018/09/28
【茨城】鹿嶋市が市民交流館計画/整備総額18・3億円
鹿嶋市は市民交流館(歴史資料館)建設計画について27日、鹿嶋市商工会館で地区住民との意見交換会を開催。施設整備費や想定する施設イメージ案などを示した。それによると、施設規模は約2000uを想定。用地買収や設計業務、建築工事などを含めた整備費として約13億3860万円を試算している。今後、数回意見交換会を行い、年度内には建設の是非を判断する方針だ。
鹿島神宮や鹿島神宮駅が立地する宮中地区のにぎわい創出の一環として、歴史資料館と市民交流館機能を併せもった複合施設の建設を計画していたが、施設内容などについて市民から充分な理解が得られていなかったため、昨年度末に一度白紙とした経緯がある。
市がイメージする施設内容は2階建てで、屋上も活用。延床面積にして約2000uを見込む。1階には観光情報発信(観光・物産品)や歴史資料館。2階は子育てサポート(キッズランド)、市民交流機能、歴史・観光・ボランティアワーキングスペースなどの機能を備える。このほか屋上はふれあい交流機能や公園機能としての活用をするもの。
イニシャルコストには土地購入費に6000万円、設計や監理業務費に1億3204万円、外構を含む工事費に7億8600万円を投入。このほか情報システムの構築や展示施設の設備、備品購入費などを合わせ施設整備費の総額は約13億円を投入。年間運営費は人件費、事業費、維持管理費などを含め年間5500万円を見込む。
意見交換会で冒頭、錦織孝一市長は年間200万人とも言われる鹿島神宮の参拝客の滞在時間を延長させ、地域振興・活性化に繋げるには市民と一体となり取り組むことが必要不可欠であるとした上で「休日には鹿島神宮を訪れる観光客に地域の歴史を知ってもらい、またリピーターとして訪れてもらう。平日は市民が交流する場としても活用できる施設として考えている」と計画を説明。さらに「再度多くの人に意見を聞き、建設の是非を判断していきたい」と意見交換会の重要性を強調した。
参加者からは「地権者の抱える事情に寄り添った補償などがなければ理解は得られない」との意見があり、これに対して市側では「できるだけ地権者の事業収入などを考えた協力をしていきたい」と答えた。また「市民は温泉など別の施設を欲しがっている」の意見に対して市は、「まちの中心部に温泉施設の建設計画は考えていない」とした。
「オリンピックも控え、鹿島神宮駅は市の玄関口でもある。周辺を整備することは重要」と建設に期待する意見も出され、市は「宮中地区だけでなく鹿島神宮駅前のリニューアルも計画している」と今後の取り組みを示した。
なお、10月3日にはあ大野ふれあいセンターで同様の意見交換会を開催する。これらで出された意見を踏まえ、11月に2回目の意見交換会を開く予定だ。