建通新聞社
2018/09/28
【大阪】市の南海トラフ対策 千代崎橋の設計着手
大阪市は、南海トラフ巨大地震対策に伴う橋梁の耐震化事業で、木津川に架かる「千代崎橋」を対象とした詳細設計に着手した。2018年度中に施工計画などをまとめ、19年度以降の工事発注に備える。設計業務はセントラルコンサルタント(大阪市北区)が1513万円で落札している。
千代崎橋は大阪市西区千代崎2丁目に位置。木津川に架かる延長64b(主橋梁部分)の橋梁で、上部構造は鉄筋コンクリート鋼鈑ゲルバー橋。下部は渡河部に2本の橋脚があり、径間は3スパンとなっている。完成年は1927年。地盤沈下により橋が低くなったこともあり、56年に嵩上げ工事が行われた。
市が進める橋梁の耐震対策では、南海トラフ巨大地震に起因する地震動、津波、液状化に対して2014年度から対策を進めている。18年度は当初予算に事業費約1億3000万円を計上。津波対策として千代崎橋の設計や岩崎橋の工事、液状化対策の土質調査を行う他、地震動対策として新木津川大橋(主橋梁=橋長495b)の実施設計を進める。
市で津波対策が必要な橋梁は12橋ある。千舟橋(港区)、大運橋(大正区)、大船橋(同)の3橋梁についてはすでに対策工事が完了しており、岩崎橋(西区)の工事は実施中。今回の千代崎橋は5橋目となり、残りの7橋梁については大阪府が進める3大水門対策など、関連自治体の南海トラフ巨大地震対策の進捗状況を見ながら対策工事の可否を判断していく。