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建通新聞社(東京)
2018/09/28

【東京】都の防災対策、速やかに実行へ―都議会代表質問

 9月26日に開かれた東京都議会本会議では、増子博樹氏(都民ファーストの会)や伊藤興一氏(公明党)らが代表質問に立ち、防災対策などを中心に都の対応を確認した。これに対し小池百合子知事らは、東京防災プランの緊急総点検に基づき調節池の加速的整備など12分野の取り組みを速やかに実施する他、避難所となる学校施設の空調設備整備を特別教室や体育館に拡大していく方針を示した。
 都側の主な答弁の要旨は次の通り。
【緊急総点検に基づく取り組みを速やかに実施】
 多発する風水害や地震などを踏まえ約200項目にわたり東京防災プランの緊急総点検を実施した。その結果、年度内に実施または19年度予算編成に向け事業化を図るものとして、タイムラインの普及拡大や調節池の加速的整備など12分野の取り組みをまとめた。緊急性の高い事業は補正予算の編成も視野に入れる。
【区市町村の非常用電源確保を支援】
 大規模災害発生の際、区市町村は住民に直接対応する自治体として、医療救護所や避難所の設置など都民の生命・身体に関わる応急対策を直ちに開始しなければならない。ブラックアウト(停電)が発生しても区市町村庁舎の電源が少なくとも72時間は確保できるよう、その方策について協議を進め、ニーズを踏まえて防災まちづくり基金の活用や補正予算の編成など必要な支援を行う。
【水防災情報を多言語化】
 防災事業の緊急点検の結果を踏まえ、ハード対策については新たな調節池の検討を前倒して実施する。ソフト対策についてはスマートフォンなどの位置情報を活用し、豪雨の際に利用者が周辺の河川水位などを知ることができる仕組みを本年度中に導入するとともに、氾濫危険情報など水防災情報を多言語化し、発信力を強化する。
【避難所の給水確保、小学校を22年度に完了】
 災害時の避難所の給水確保に向け、区市町が指定する避難所約2600カ所を対象に、耐震継手化と水道メーターまでの給水管の耐震化を進めている。現在約1800カ所の小中学校を優先して配水管の耐震継手化と給水管の耐震化を進めており、中学校は19年度まで、小学校は22年度までに完了させる。残る全ての避難所について、25年度までの完了に向け整備を進めていく。
【下水道管耐震化、一時滞在施設など500カ所を対象に追加】
 地震による被害を受けやすい下水道管とマンホールの接続部の対策を重点的に実施しており、避難所や災害復旧拠点など約4600カ所のうち約8割に当たる約3700カ所で完了した。帰宅困難者が一時的に待機できる一時滞在施設の指定や、一斉帰宅抑制に取り組む企業の認定制度を創設したことを受け、今後はこれら約500カ所を対象に広げ耐震化を進める。
【学校施設の空調整備、特別教室や体育館にも】
 安全性の確保や防災機能の強化とともに暑さ対策も早急に取り組むべき課題であり、今後は特別教室への整備推進に努める。体育館については構造上の問題もあり、本格的な整備は進んでいなかったが、今後は都立特別支援学校に加え、都立高校にも空調設備の設置を速やかに進めていく。さらに、公立小中学校の体育館について、国や区市町村との役割分担を踏まえつつ、空調設備整備が進められるよう来夏からの対応を見据えて補正予算を編成するなど緊急的な対応を行っていく。給食調理室の空調については、都立学校の改築などの計画に合わせて整備するとともに、区市町村に対する支援を検討する。

提供:建通新聞社