横浜市は今後10年間に、市が管理する第1次緊急輸送路などの65`で無電柱化事業に新規着手する方針だ。環状2号線や山下本牧磯子線などの環状ネットワーク3路線と着手済みの無電柱化事業を完了させる。管路の浅層埋設に代表される低コスト手法を積極導入する他、PFI手法の検討も進める。これらを無電柱化推進計画(2018〜27年度)の素案に盛り込んだ。市民意見募集を経て18年度内の策定を目指す。
市は12年度に策定した無電柱化整備計画の方針などに基づいて、市が管理する第1次緊急輸送路(187・1`)や第2次緊急輸送路の一部(12・7`)の無電柱化を実施。このうち今年3月末時点でそれぞれ33%(62・1`)、12%(1・5`)の無電柱化を終えた。131・4`が未着手となっている。
また都心部の市道の無電柱化は、みなとみらい地区が100%、新横浜駅周辺も93%に達する中、歩道の幅員が狭かったり、歩道がなかったりする区間が多い関内地区は75%、横浜駅周辺では44%にとどまる。
このため、16年12月施行の無電柱化推進法に基づく推進計画を新たに作り、目標などを定めて着実に無電柱化を進めることになった。
第1次緊急輸送路などの65`だけでなく、未整備となっている区役所などへのアクセス路でも無電柱化事業に新規着手する。環状ネットワーク3路線などの無電柱化事業を完了させることで、第1次緊急輸送路の無電柱化率を33%から40%に引き上げる。都心部や観光地周辺などの面的な無電柱化、通学路や商店街などの無電柱化も推し進める。
無電柱化手法の主流は電線共同溝方式だが、測量・設計から各種工事を終えるまでの標準的な整備期間は7〜10年程度で、コストも1`当たり約5億3000万円かかるとされている。
そこで管路の浅層埋設や小型ボックスを活用した埋設、電線管理者による直接埋設といった低コスト手法を積極的に導入。地中化が困難な場合には裏配線や軒下配線といった手法で対応することも視野に入れている。
また、民間の技術・ノウハウや資金の活用、財政負担の平準化につなげるためにPFI手法の採用を検討していく。
提供:建通新聞社