佐藤工業は26日、富山市の本店で第88期定時株主総会を開き、18年6月期の事業報告、剰余金処分を決議した。
総会後の記者懇談会には、宮本雅文代表取締役社長らが出席。決算概要の要点を説明した。
子会社8社を含む88期の連結決算は、売上高が前年度比5・5%減の1375億円。利益は売上総利益が同14・2%増の122億円、営業利益が同36・1%増の39億円、経常利益が同24%増の41億円、当期純利益が同78・1%増の38億円と減収増益となった。
単体の決算は、受注高が同26・9%増の1662億円。内訳は土木701億円(前期実績571億円)、建築949億円(同727億円)、兼業10億円(同11億円)。土木はリニア工事、建築は海外のデータセンターの受注が堅調だったことが要因。売上高は同5・8%減の1255億円で、売上総利益が同19・5%増の108億円、営業利益が同61・3%増の34億円、経常利益が同48・7%増の36億円、当期純利益が同122・4%増の35億円だった。
宮本社長は大幅な増益理由について、「国内の利益がある程度確保できている」と述べた上で、「利益率もアップしているが、同業他社のレベルには達していない」と課題を挙げた。また、BIMやドローンといった、新技術への対応に注力する姿勢も強調した。
第5次中期経営計画の最終期となる来期は、連結の売上目標に1698億円、売上総利益に124億円、営業利益に36億円を設定。単体の受注高は1560億円とし、このうち、建築は海外の370億円を含め、1000億円に定めた。
なお、今回の役員人事の対象は7名。主な内容は、執行役員北陸支店長の金子政史氏が、常務執行役員北陸支店長に昇格。そのほか、社長室長の高橋建夫氏と、社長室経営企画部長の塩崎貴章氏らが新任の執行役員となった。塩崎氏は東北支店長に就任する。いずれも発令は26日。