北海道建設新聞社
2018/09/27
【北海道】東豊線地下通路延伸は最大30億円 市が都計審で事前説明
地下鉄東豊線さっぽろ駅コンコースの北側を延伸する地下通路整備計画概要が判明した。西2丁目線下の北7条―8条区画で幅員約4m、延長約140mで構想。南側は16番出口付近と接続し、中間部の歩道上に階段による出口を設け、北側は北8西1地区再開発事業で整備するビルと接続する。整備主体は再開発組合で、通路整備部の費用は20億―30億円を試算し、2021年度の着工を想定。札幌市が再開発事業補助で費用の3分の1を支援する考えだ。市内の再開発事業による100m以上の地下通路整備は初の事例となる。
26日の札幌市都市計画審議会で、同地区再開発事業の変更に関して事前説明した。
北8西1地区では、民間事業者が再開発事業を計画。50階建て、高さ約180mに上る高層マンションを中心に、ホテルやオフィスなどの再開発ビルを建設する構想だ。
市はまちづくり戦略ビジョンで再開発の機会を捉えた地下歩行ネットワークの拡大検討を、第2次都市計画マスタープランで安全・快適な歩行環境の充実を図ることをそれぞれ掲げている。
また、第2次都心まちづくり計画では、札幌駅周辺の地下歩行ネットワーク検討対象路線として、北8西1地区から札幌駅北口地下歩道に向かう北8条通下の西2―3丁目区間と、西2丁目線下の北7―8条区間の2路線を挙げていた。
検討路線周辺では再開発事業が検討されていたため、地下通路整備による周辺地域の利便性向上など、まちづくりへの貢献を目指したい準備組合との方向性が一致し、市と組合の両者で検討を開始。北8条通は地下鉄や地下埋設物などによって約10mの上下移動が生じ、整備費用が高額となるため、おおむね平たんに整備が可能な西2丁目線で整備する方針を決めた。
地下通路は、深さ5―8mの位置に延長約140m、幅員約4mで計画。南側を既存16番出口と接続し、中間の秀英予備校前の歩道上に出口を1カ所設け、北側を北8西1再開発ビル低層階の商業部分にエレベーターや階段で結ぶ。整備は現時点で開削工法となる見込みだ。
地下通路整備部分の概算費用20億―30億円は再開発事業の公共スペースとなるため、組合、市、国が3分の1ずつを負担する。整備後は地下鉄施設として市に帰属し、運用する方針。
地下通路整備に伴い、区域変更などの都市計画変更が必要となる。再開発事業では2haとしていた施行区域が2・1haに拡大。通路整備部分は地下鉄施設に位置付ける。
都市計画変更は11月15日の次回審議会で諮問し、承認を得られれば12月に都市計画変更告示となる。
整備は19年3月にも市街地再開発組合を設立した後、地下通路は19年度に予備設計、20年度に実施設計、21年度に着工し、再開発ビルと同様に23年度の供用開始を目指す。再開発ビルは19年度中に建築工事に着工する計画だ。