名古屋市教育委員会は、図書館の再編に向けた初弾の検討に着手する。本年度は、老朽化した図書館が多い、千種区など市北東部のブロック(第1ブロック)を対象に整備方針を策定する方針だ。
市北東部は、千種区、東区、守山区、名東区が対象で、図書館は千種、東、守山、志段味、名東の5館が所在する。
17年度に策定した「なごやアクティブ・ライブラリー構想」に基づき、鶴舞中央図書館(昭和区)と各区の分館・支所館など20館で構成する現在の図書館サービス網を見直す。
中心館に位置付ける中央図書館の他に、市内を5ブロックに分け、ニーズの異なる3タイプの地域サービス館を各ブロックに配置する方針。地域サービス館は、直営で運営するアクティブライブラリー(蔵書数15万冊)と、民間活力の活用を検討するコミュニティーライブラリー(同5〜7万冊)とスマートライブラリー(同1万冊)を配置する計画。
アクティブライブラリーは、現在の分館よりも蔵書数が多くなり、必要建物規模は大きくなる。専門的な書籍も配置し、地域の拠点館としての位置付け。
コミュニティーライブラリーは、本への関心を深める入り口としての図書館機能を持たせる考え。スマートライブラリーは、利用率の高い利用者を念頭に置いた図書館を目指す。
整備方針策定に当たっては、有識者懇談会の意見や市民アンケートの結果を踏まえて詳細を決める方針。
地域の人口や交通条件、利用状況を加味し、アクティブライブラリーの整備候補地を検討する他、地域サービス館の必要な機能を改めて検討する。
整備手法は、賃貸で入居して整備する方法も含めて検討を行う。また、既存館を活用して地域サービス館を整備する場合に、余剰スペースを活用する民間事業者のニーズがあるかどうかを把握する。その他、他施設との複合化や図書館以外の機能を付与することができるかも検討する。
現在は分館の位置付けに当たる、千種図書館(現施設は鉄筋コンクリート造2階建て延べ1106平方b)については、新千種区役所の施設内に設けるかを今回の整備方針の中で検討する。
整備方針策定支援業務は、一般競争入札を公告した。入札書を9月28日まで受け付け、同日に開札する。履行期間は19年3月22日まで。
提供:建通新聞社