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建通新聞社(神奈川)
2018/09/20

【神奈川】県 図書館新棟、厚木児相の調査設計先を決定

 神奈川県住宅営繕事務所は、「県立図書館新棟新築工事調査設計業務」を奥野設計(横浜市中区)、「厚木児童相談所新築工事調査設計業務」を洋建築企画(茅ケ崎市)に委託する。簡易公募型プロポーザル方式により特定したもので、9月19日に技術提案評価結果を公表した。業務の委託期限はいずれも2019年2月28日としている。
 県立図書館は、横浜市西区紅葉ケ丘9ノ2の敷地5762平方bに所在する施設。本館(鉄筋コンクリート造地下1階地上2階建て延べ3015平方b)と、新館(鉄骨鉄筋コンクリート造地下3階地上4階建て延べ9114平方b)で構成している。
 1954年の開館以降は大規模な改修を行っていないため、施設・設備の老朽化が進み、バリアフリー対策も十分とは言えない状況にある。さらに、蔵書増加に伴って館内レイアウトを繰り返し変更してきたため、利用者動線の複雑化、閲覧スペースの分散といった課題も抱えている。
 このため、既存2施設の他、新たに建設する「新棟」により、「専門的図書館」「広域的図書館」「価値を創造する図書館」「魅せる図書館」としての機能発揮を目指すことになった。
 今回、調査設計に着手する新棟は、図書館に近接する元紅葉ケ丘高等職業技術校の敷地1889平方bに建設。鉄筋コンクリート造、または鉄骨鉄筋コンクリート造4階建て以下の建物とする。延べ床面積は3700平方b以下(うち、図書・研究部門などは2430平方b)。プロポーザル開始時の想定工事金額(概算)は20億2000万円、工期は17カ月。
 プロポーザルには奥野設計の他、多摩設計、金子設計、田辺設計、日生建築計画研究所が参加した。奥野設計の提案については、▽「図書部門」「休憩部門」「研究部門」の各機能と動線に配慮した計画▽コミュニティー広場を設けることにより本館・新館とのつながりに配慮した計画▽建物のセットバックにより、周辺の住環境に配慮した計画▽集密書架を1、2階に配置することで構造的に安定した計画―を特に評価した。
 一方の厚木児童相談所は、厚木市水引2ノ11ノ6の敷地約2360平方bに建設する。厚木警察署などの県有施設に隣接する、現在の施設を移転改築する形で整備する計画だ。
 新たな施設の規模は鉄筋コンクリート造3階建て延べ2600平方b以下。付属施設として屋外運動スペース(約400平方b)、駐車場(20台以上)、駐輪場(10台以上)を計画している。想定工事金額(概算)は14億1000万円、工期は16カ月。
 プロポーザルに参加したのは、洋建築企画、小林建築事務所、清田育男計画設計工房、アベ設計の4者。洋建築企画による、▽屋外運動スペースを建物で四方向囲み、敷地外からの視線を遮る計画▽ラウンジから屋外運動スペースに直接出入りができ、一体的に利用することができる計画▽児童相談所事務室と一時保護所事務室が隣接することにより一体的に運営することができる計画▽一時保護所の1階と2階の事務室についても内部階段を設けることにより一体的に運営できる計画▽学齢男児と学齢女児の動線に加え視線にも配慮した計画―とした提案を特に評価した。

提供:建通新聞社